2026.03.04 荏原、電動ターボポンプ搭載の液燃エンジンで着火試験に成功 再使用ロケット実現へ前進
荏原の電動ターボポンプを用いたエンジンの着火試験の様子
ポンプ大手の荏原製作所の電動ターボポンプを搭載した液体燃料ロケットエンジンが着火試験に成功した。繰り返し打ち上げを行える再使用型ロケットを日本で実現するための取り組み。同社が、新興宇宙開発「ニュースペース」の一角を担う将来宇宙輸送システム(ISC、東京都中央区)とともに、1月19~30日に滋賀県高島市饗庭野地区で実施した。
ISCは、再使用型ロケット「ASCA(アスカ)」の開発に挑む。同分野は、米Space Exploration Technologies(スペースX)の「ファルコン9」による2015年の成功以降、米欧中の官民が追随しているが、26年時点ではまだスペースXが大きく先行する状態にある。ASCAの目標ターンアラウンド(打ち上げ間隔)は1日1回で、機体と推進系は1000回以上飛行でき、高度400km程度の地球周回軌道に10tの人員や物資を投入し、航空機と同程度の機体喪失確率で50人程度の定員を輸送可能にする構想だ。28年に100kg級の人工衛星を打ち上げ、32年に有人宇宙輸送を実現し、40年代に単段式で高頻度、大量、安価な宇宙輸送を実現するという工程表を掲げる。
荏原とISCは、24年に包括協定を締結。今回は荏原のポンプをISCが設計、製造するエンジンに搭載した状態でエンジンシステム全体として特性を確認した。着火までの主要機能が成立することを確認し、燃焼試験が予定通り完了した。次の段階である高出力試験への足がかりとし、28年3月までに地球周回軌道へ人工衛星を投入する技術実証を行える水準に出力を高める。









