2026.03.13 NEC、水中接近物体を検知する可搬型監視センサー開発 港湾や洋上施設の安全確保へ、27年度提供目指す

 NECは13日、水中で接近する物体を検知する小型の可搬型水中監視センサーを開発し、実環境での実証に成功したと発表した。港湾や電力施設などの重要インフラ、ソーナーを搭載していない船舶や洋上施設の周辺水域を監視し、ダイバーや水中ロボットなどの接近を早期に検知する。今後、製品化に向けた開発を進め、2027年度中の提供開始を目指す。

可搬型水中監視センサーの標準構成

 水中ロボットなど水中航走体の利用拡大に伴い、船舶との接触事故や沿岸施設でのトラブル発生リスクが世界的な課題となっている。水中での異常は発見が難しく、対応の遅れが重大事故につながる恐れがあるため、早期に状況を把握する技術の重要性が増している。NECは90年以上にわたり培ってきた水中音響技術を活用し、水中の接近物体を検知してモニター上に表示する監視センサーを開発した。

 新センサーは、水中センサーを従来比約10分の1の体積に小型化し、可搬可能なサイズとしたのが特徴。従来の海底設置型センサーは大規模な設置工事が必要だったが、装置の小型化と操作・表示装置のコンポーネント化により、同装置の体積を大幅に縮小した。船舶への搭載も可能とし、導入時のコスト削減と期間短縮を実現する。

 また、独自の信号処理技術により、湾内や港内など水深が浅く船舶や港湾活動による雑音が多い環境でも目的の音響信号を抽出できる。NECがソーナー開発で培った技術を応用し、複雑な環境音の中でも高い検出性能を実現した。

 さらに、可搬型でインターネット経由のリモート運用にも対応。洋上風力発電施設や離島など常駐監視が難しい環境でも利用できる。船舶の停船作業中のダイバー位置確認や水中航走体の接近検知など、海洋調査や水中作業の安全確保にも活用できるという。

 NECは2月に長崎県の港湾で実環境での実証試験を実施し、数百メートル離れた位置からダイバーや水中航走体の検知に成功した。今後、品質向上などを進め、幅広い分野での活用を目指す。

長崎県での実証の様子