2026.03.20 東芝、次世代情報インフラ実現へ 長距離の量子鍵配送でスタートアップと共同研究
東芝と横浜国立大学発スタートアップのLQUOM(横浜市)は、理論的に盗聴が不可能なセキュリティー技術「量子鍵配送(QKD)」の長距離化に向けた検討を進める共同研究契約を結んだと発表した。両社は共同研究で得られた知見を量子通信分野の開発に生かし、安全で安心な次世代情報インフラの実現を目指す。
今回の締結は、量子情報をやり取りする次世代通信網「量子インターネット」の実現を見据えた中長期的な技術基盤の構築とエコシステム(生態系)形成の一環。将来のネットワーク基盤技術として期待される量子中継システムと量子鍵配送システムを組み合わせることで、次世代のQKDの長距離化に向けた技術的な課題と実現性について検討する。
QKDは、量子力学の原理を利用して量子コンピューターでも解読できない安全な暗号通信を実現する有望な技術。近年、金融や医療、エネルギーなどの分野で実証が進むなど、社会実装に向けた取り組みが活発に行われている。量子中継は量子状態を損なうことなく長距離伝送を可能とする技術で、QKDを含む量子通信の長距離化を実現する上で不可欠な要素技術となる。将来の量子ネットワークの基盤技術として、その確立が期待されている。
共同研究は、3月から2027年3月まで実施。多様な方式があるQKDと量子中継の中から、性能面や実装面の観点を踏まえて、長距離の量子鍵配送実現に向けた最適な組み合わせについて検討する。両社が担当する主な技術は東芝がQKD、LQUOMが量子中継システムとなる。
長距離で安全な量子通信を行うためには中継が望ましく、量子インターネットを実現するためには、量子通信専用の量子中継器が必須となる。安全な量子インターネットの実用化を目指して技術開発に取り組むLQUOMは、中継器の開発に必要な基礎技術を持っている。






