2026.10.02 パナソニック エナジー、TQM実践賞受賞 プロセス・チェーン・マネジメント評価

プロセス・チェーン・マネジメント概念図

日本品質奨励賞 TQM実践賞
日本品質奨励賞 TQM実践賞

プロセス図解例
プロセス図解例

データデザイン
データデザイン

 パナソニック エナジーは、日本科学技術連盟が主催する「日本品質奨励賞 TQM実践賞」を受賞した。

 受賞の対象となったのは、長年にわたり電池製造現場で蓄積された約1000件のものづくり課題の分析結果を基に構築した独自のマネジメントシステム。受賞後に「プロセス・チェーン・マネジメント(PCM)」として運用している。

 同システムは、未解決課題の解決に必要な業務プロセスや技術知見を体系化し、課題解決の質と生産性を向上させ、人材育成を同時に実現する仕組みとして高く評価された。

 電池製造にとどまらず、幅広い製造現場に応用可能なものづくりマネジメント手法としての発展も期待できる。

 製造現場では、原因が特定できない慢性不良や技術課題が長期間未解決のまま残るケースがある。その解決には高度な専門知識や経験が必要で、個人の技能や勘に依存しやすいことが課題となっていた。

 同社は2001年以降に取り組んだ約1000件の改善活動を分析し、高い成果につながる課題解決行動や思考プロセスを標準化した。

 PCMの中核となるのが、「プロセス図解」と「データデザイン」という独自手法。

 「プロセス図解」は、製造工程での加工点やエネルギーの流れ、技術的な変化を可視化することで、熟練技術者が持つ暗黙知を共有し、議論の質を高める手法となる。

 「データデザイン」は、INPUT・PROCESS・OUTPUTとエネルギーや阻害要因との因果関係を構造化し、不具合発生メカニズムを視覚的に捉えることで、真因追究を効率化する手法となる。

 これらの仕組みにより、数年に一度発生する原因不明の金属部品の割れ不良について、その発生メカニズムの解明と再現に成功。約1年で不良の撲滅を実現した。

 発生原因の特定が困難だった電気特性不良についても、不良率を1.0%から0.5%未満まで低減する成果も挙げている。

 実務成果だけではなく学術的な側面からも評価されている。26年の日本品質管理学会年次大会で研究成果として発表し、大学・研究機関の研究者からも高い評価を受けた。

 この中では、従来の品質管理やTQMの枠組みに加え、「プロセス・チェーン・マネジメント」という新たなマネジメント分野として発展する可能性についても期待が寄せられた。