2020.07.17 非接触で体温測定と顔認証 BOEジャパンがシステム本格展開

「非接触体温測定顔認識システム」の前に立つだけでマスクを着けていても瞬時に認識

マスク着用でも瞬時に体温と共に認識(左)、本人認証もする(右)マスク着用でも瞬時に体温と共に認識(左)、本人認証もする(右)

 BOEジャパン(東京都港区)は、非接触で体温測定と顔認証ができるシステムの本格展開を始めている。

 新型コロナウイルス感染防止を支援する目的で独自に開発したもので、カメラなどを搭載したディスプレイの前に立つだけで瞬時に体温の測定ができる。

 顔認証により入退室の管理も可能で、顔認証はマスク着用でも速やかにできる。

 本格展開を始めた「非接触体温測定顔認識システム」は、カメラで顔認証を行うと同時に体温測定も同時にできる端末。

 8インチ液晶ディスプレイを搭載した端末の前に立つと瞬時に本人認証と体温を測り画面上に表示する。

 体温測定の誤差はプラスマイナス0.5度で、体温が高いなど異常の場合はすぐに警報が出るため、発熱者などの選別が簡単にできるようになる。

 新型コロナ禍で暮らし方や働き方、学び方が変わろうとしており、コロナとともに生きる「ウィズ・コロナ」の時代になる中でより安心・安全に生活できる環境づくりを模索していた同社。

 システムの開発について久保島力社長は「ニューノーマル(新しい日常)への対応支援ができないかを検討し製品化することにした」と話す。

 システムに搭載する顔認証は中国ベンダーの技術を採用している。顔の認識率は99.9%を実現しマスク着用でも認識できることが特徴だ。

 実際にマスクをしていないでシステムの前に立つと「マスクをしてください」と警報が出るとともに画面表示だけでなく音声でも知らせる。

 実際に久保島社長が自らシステムの前に立つと瞬時に体温と本人認証をする。マスクをしていても瞬間的に認識するため、実用でも煩わしさを感じない。

 久保島社長は「顔は3万人を登録できるため、企業や学校だけでなく幅広く使える」とみる。

 システムは同社独自のクラウド基盤「BOEクラウド」に接続することで情報をリアルタイムで一括管理できるようにもなる。

 顔の登録もユーザー自らが簡単に行えるため、導入や設定なども簡単だ。システムは複数端末を個別に設定できるため、全国展開する企業などでも煩わしい作業を抑えながら導入ができる。

 もちろんオフィスなどでは入退室セキュリティ端末としても使える。勤怠管理システムなどとの連動もできるため、入退室と勤怠の両面で一元的に管理できるようになる。オプションでICカードやIDカード、2次元バーコードにも対応する。

 企業での利用だけではない。学校などでも使える。同社のクラウドに接続することで、低コストで簡単に情報の管理と共有ができる。

 BOEクラウドにつなげば、例えば「子どもが登校した際の履歴データをリアルタイムで保護者に送ることもできる」(久保島社長)という。子どもらの安全支援などもできるため、利用の幅は広い。

 本体の価格は15万円前後になる。スタンドや壁掛け金具などオプションも用意しており、設置の自由度も高い。接続は有線でも無線でも対応できる。

 設置や利用に関してはカスタマイズにも応じるため、企業の環境に合わせた利用ができるようになる。

 BOEクラウドの利用は、現在は無料となっているが、将来有償になった場合でも月額300-500円程度を想定している。端末は低コストで簡単に導入できることが大きな利点だ。

 久保島社長は「新しい時代の、新しい安心をキーワードに訴求していきたい」と話し、企業や学校だけでなく、飲食店や病院、スポーツジム、テーマパークなど幅広い業種・業界に提案していく考えだ。