2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京エレクトロンデバイス新中計「VISION2025」策定

徳重 社長

 東京エレクトロンデバイス(TED)は15年度から取り組んできた中期経営計画「VISION2020」の最終年度になる20年度(21年3月期)は、新型コロナウイルス感染症による影響が今年9月頃まで続くことを前提に、売上高1380億円、経常利益41億円、当期純利益27億円の前年比増収増益の目標を設定。経常利益、当期純利益は上場以来の最高益になる。

 VISION2020では、EC事業は取り扱い製品を活用した自社製品開発を強化。PB事業は17年にアバール長崎(長崎県諫早市、現・TED長崎)、18年にファースト(神奈川県大和市)を連結子会社化。一方、CN(コンピュータネットワーク)事業はセキュリティ製品の拡販やAI(人工知能)関連製品のマーケティング強化等に取り組んできた。

 ファーストは3Dビジョン技術を応用した接着剤の塗布作業向け「ディスペンサーロボットシステム」など、TED長崎は系統電力と再生化のエネルギーのミックスで最適な電力供給を行う分散型電源装置を製品化するなど新たな事業を次々と加えてきた。

 徳重敦之社長は「中計では既存の事業基盤を活用した高付加価値ビジネスの確立を進めてきたが、市場環境の変化が急速で、売上高は当初予想との乖離(かいり)が生じるが、利益面では成果を上げている」と述べる。

 VISION2020の推進とともに、25年3月期を目標年度とする新中期経営計画「VISION2025」を策定した。

 徳重社長は「次期中計では技術商社機能を持つメーカーとして、データビジネス・サービスビジネス・ストックビジネスを利益の源泉とし、モノづくりシステムメーカー、ODMメーカー、設計開発部門、高効率スマート工場を重点ポイントとするメーカーを目指し収益向上を実現したい」と方向を示す。

 25年3月期を目標年度とした新「財務モデル」は、売上高2000億円プラスマイナス10%、経常利益率5%超、ROE15%超とし、EC事業70%(経常利益率2%超)、PB事業10%(同10%超)、CN事業20%(同13%超)に設定した。