2020.07.17 「プラットフォーマー」目指すTDSL島田社長が就任後、初のオンライン会見

東芝デジタルソリューションズの島田社長

 東芝デジタルソリューションズ(TDSL)の島田太郎社長は16日、社長就任後初の記者会見をオンラインで開き、デジタルサービスの場を提供することで多くの利用者を引き寄せる「プラットフォーマー」を目指す考えを明らかにした。

 米IT大手4社「GAFA」は、通販などの事業を通じて利用者のデータを蓄積して新たなサービスを生み出す「プラットフォーマー」として存在感を発揮。デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の追い風に乗り、国境を超えて成長を続けている。

 島田社長は、GAFAなど海外プラットフォーマーの動向に言及。「モノからコトへという発想でなく、コトが起こるような場所を用意すれば、おのずとDXは起こせる」と述べ、プラットフォーム事業で攻勢をかけることに意欲を示した。

 既にTDSLは、モジュール化した多彩なIoT機器やWebサービスを自由に組み合わせて便利な仕組みを簡単に実現できるようにするプラットフォーム「ifLink(イフリンク)」を開発。イフリンクを舞台に商機を広げたい利用者に呼びかけ、参加企業は約100社に達した。

 さらに島田社長は「デファクト(標準)をとるためにはオープン化に踏み込めるかが重要で、われわれはそれを着実に実行している」とも強調。イフリンクのほか、買い物客がスマートフォンで電子化されたレシートデータを受け取れるようにする東芝グループのシステム「スマートレシート」の導入店舗を拡大する計画も例に挙げた。

 東芝は、総合電機から脱却し「インフラサービスカンパニー」としての企業価値を最大化すると宣言した。その成長戦略の一翼を担う島田社長は「インフラサービスのデジタル化ではTDSLがリードしていく」と力を込めた。

 島田社長はシーメンス日本法人の専務執行役員などを経て、18年10月にコーポレートデジタル事業責任者として東芝に入社。同社執行役常務CDO(最高デジタル責任者)やTDSL取締役常務などを歴任し、20年4月にTDSL社長に就いた。