NHK広島拠点放送局は、被爆75年関連番組NHKスペシャル「映像と証言で綴（つづ）る原爆投下・全記録（仮）」の概要を発表した。

　戦後75年の節目に当たる今年「原爆投下」に関係した当事者たちの証言や資料、映像が次々に見つかった。

　原爆開発計画（マンハッタン計画）の現場責任者の手記や、製造に携わった科学者、爆撃機のパイロットのインタビューを入手。

　「投下都市」決定の詳細が明らかになる。「アメリカの政治家や軍人がどんな思惑で行動していたのか」「あの日、爆撃機にいた者の心情」などが生々しく語られていく。

　また、イギリスのテレビ局が50年前に、日本の政治家や官僚に行ったインタビューの未公開素材を発見。被爆直後に広島・長崎の市民が被害を語った肉声も手に入れた。

　徹底抗戦や降伏が議論される中で、政治家は「原爆投下」をどう受け止めていたのか。廃虚となった街で「人々は何を思ったか」が、浮かび上がってきた。

　新たに入手した資料に、これまでNHKが取材した膨大なアーカイブスを加え、「原爆投下の全体像」に迫った。

　日米の政府関係者・科学者、市民。落とした者と落とされた者。当事者だけが知りえる事実だけでたどった「原爆投下」の記録を伝えていく。放送は8月6日（木）総合午後10時-同49分（全国放送）。