【コネクタ特集】主要コネクタメーカーにアンケート電波新聞社まとめ

2020.08.19 【コネクタ特集】主要コネクタメーカーにアンケート電波新聞社まとめ

　コネクタメーカー各社は、20年度もグローバルでの積極的な事業を展開する。足元のコネクタ需要は、一昨年来の米中貿易摩擦激化に伴う中国景気減速や、世界的な自動車販売低迷、さらにコロナ禍による経済活動停滞などの影響で、低調な推移となっているが、各社の中長期の成長戦略に大きな変化はない。電波新聞社では、2月と8月の年2回のコネクタ特集発行時に主要コネクタメーカー対象のアンケート調査を実施し、最新の業界展望や各社の営業戦略などを探っている。今回も8月上旬にアンケート用紙を配布、12日までに回答を得た17社について集計した（数字はいずれも金額ベース）。

コネクタ需要予測

　20年（1-12月）の「国内」および「全世界」のコネクタ需要予測を聞いた。

　「国内需要」では、回答13社中、最も多かったのは「10％未満の減」の7社。一方で、「10-20％未満の減」も4社を数えた。「2桁以上の増」の企業はみられなかった。

　「全世界需要」では、回答12社中、最も多いのは「10％未満の減」の6社。次いで「10-20％未満の減」が4社となっている。

　コネクタ需要は16年から18年前半にかけて高い成長を遂げた。18年秋以降は米中貿易摩擦激化に伴う中国景気低迷や設備投資需要減退などにより、軟調な推移となっている。20年の需要予測は、今年1月実施のアンケート調査でもやや慎重な見方が強かったが、その後のコロナ禍が先行きの不透明さをより強める結果となっている。

2020年の拡販重点分野（用途）

　20年の各社の拡販重点分野を聞いた。トップの54ポイントを数えたのは「産業機器（含むFA）」。2番目は「自動車電装品」。以下、「通信・放送インフラ関連」「医療機器」「携帯電話／スマートフォン」の順となっている。上位5位までは今年1月調査と変わらないが、前回6位の「カーナビ」は13位に後退した。

　このほか、「家電・住設」「ウエアラブル端末」「環境・新エネルギー関連」など、多様な分野が重点分野に挙げられている（集計方法＝上位5分野を挙げてもらい、1位5ポイント-5位1ポイントとして集計）。

20年度のコネクタ部門の研究開発費計画

　「20年度のコネクタ部門研究開発費計画（19年度比）」は、回答13社で最も多かったのは「前年並み」の7社。次いで「10％未満の減」の4社。「増」とした企業は2社にとどまった。

　コネクタ業界ではここ数年、積極的に研究開発費を投じてきた企業が多いが、今年度は不透明な市場環境を反映する計画が目立っている。

20年度のコネクタ部門の設備投資計画

　「20年度のコネクタ部門の設備投資計画（19年度比）」は、回答12社中、最も多かったのは「前年並み」と「10％未満の減」。全体では半数の6社が「減」と回答し、「2桁以上の増」の企業はみられなかった。今年1月調査では4割の企業が「増」と回答したのと比べ、投資抑制の傾向がみられる。

携帯電話／スマートフォン用コネクタ

　「携帯電話／スマートフォン用コネクタの20年度販売計画（19年度比）」は、回答9社と母数は少ないが、最も多かったのは「前年並み」とした5社。残りの4社は「減」と回答した。

　今年は「5G元年」として5G本格化に伴う需要活性化が期待されていたが、コロナ禍による消費低迷もあり、やや慎重な市場見通しが強まっている。

自動車用コネクタ

　「自動車用コネクタの20年度販売計画（19年度比）」では、回答11社中、最も多かったのは「10％未満の減」「10-20％未満の減」のそれぞれ3社。「増」は計3社にとどまった。

　各社にとり、自動車市場が中長期の最重点分野であることに変化はないが、20年度は世界的な自動車市場低迷から、厳しい計画が目立つ。

ロボット用コネクタ

　今後の成長期待の高いロボット（産業用／サービスロボット）向け事業について聞いた。「ロボット用コネクタの20年度販売計画（19年度比）」では、回答9社と母数は少ないが、過半の5社が「増」と回答し、うち1社は「10-20％未満の増」と回答。「減」とした企業は見られなかった。ロボット向け電子部品の需要は、19年は低調、20年度は反転成長への期待が高い。