2020.09.18 【ASEAN特集】菱電商事 エンジニアリング会社と連携、システム機器販売強化
坂口 MD
菱電商事は、FA、冷熱、ネットワーク、ビル、エレクトロニクス、スマートアグリ、ヘルスケア事業を柱とするエレクトロニクス商社。グローバル視点の「ソリューションプロバイダー」を掲げて事業を拡大している。
ASEANでは、菱商(タイ)、菱商ベトナム(ホーチミン)、菱商テクノ シンガポールの3現地販社を設けている。
菱商(タイ)(正式名=RYOSHO〈THAILAND〉)はバンコク本社を置き、シーラチャ地区に営業所を設けている。また、グループ会社の菱商エンジニアリング(タイ)が、菱商(タイ)のオフィスに入っている。
菱商(タイ)は半導体・デバイス、三菱電機を中心としたFAシステム機器、冷熱・空調機器などを扱う。責任者である坂口太郎MD(マネージングディレクター)は、タイの景況感について「タイの主要産業の自動車生産はコロナの影響で落ち込んでいたが、7月には50%まで戻ってきた。FA機器は自動車など工場が稼働しないと設備投資が動かない。日系の家電生産は戻ってきた」と話す。
タイは米中貿易摩擦の影響で、中国からの生産シフトが増え、タイで生産して米国へ輸出するケースが多くなっている。また、タイ国内のラヨン地区などは、政府が税制などの優遇策で投資を積極的に進めている。タイの労働集約型産業をカンボジアやラオス、ミャンマーなどに移す「タイプラスワン」の動きもある。
坂口MDは「中国からの生産シフトはベトナムが多いが、タイも増えている。また、ラヨン地区のように投資が進むことで、インフラ整備による新たな空調・冷熱機器等の需要など、ビジネスチャンスとして捉えたい。ASEANが一体化して生産活動を行うタイプラスワンの動きも注視したい」と話す。
商材の拡充にも取り組んでいる。菱商エンジニアリング(タイ)や、そのパートナー企業と連携して、システム機器の販売に注力している。
タイでもPM2・5対応で、空気清浄機の売れ行きが好調になるなど、環境への関心が高まる。
坂口MDは「環境に関して、グループの商材を軸に、新たなビジネスチャンスを探っていきたい」と述べている。