2020.10.01 警察・消防など迅速に通報パイオニアが緊急通報機能付き通信ドライブレコーダ
運転しながらでもオペレータと通話できる
パイオニアは9月30日、国内市販市場で初となる緊急通報ができるドライブレコーダを発表した。通信機能を備え、事故や車両トラブル時に自動またはボタン一つで救急や警察、ロードサービスなどへ救援を要請できる。サブスクリプションサービスとして提供し、価格は月額1980円からとなる。11月中旬から発売する。今後2-3年かけて数万台規模の契約を目指す。
発売する緊急通報機能付き通信ドライブレコーダ「ドライブレコーダー+」は、事故や車両故障、交通トラブルなどの際にコールセンターにつながり、状況に応じて警察や消防・救急、ロードサービスへ通報する。緊急通報と同時に位置情報や車両情報を自動送信するため、見知らぬ土地や気が動転して説明が困難な状況でも確実な情報伝達ができる。
通報は日本緊急通報サービスの「ヘルプネット」サービスを活用。ロードサービスは日本自動車連盟(JAF)と連携して行う。緊急通報だけでなく、登録した家族へのLINEやメールでの通知機能も付く。
ドライブレコーダには通信機能のほか、各種センサーを内蔵。通常の事故や車両故障の際には手動でヘルプネットに接続し、オペレータと対話しながら警察、消防、JAFの手配をしてもらえる。大きな事故など強い衝撃があった際には、自動でヘルプネットに接続し対話できるほか、オペレータの問いかけに反応がない場合は速やかに救援を要請する。
レコーダには独自の安全運転支援システム「インテリジェントパイロット」を搭載。運転者の事故リスクを、AI(人工知能)を活用して分析。時間帯や天候、事故の起きやすい場所、ドライバーの運転操作の傾向などを総合的に判断し、注意喚起などを行う。
例えば、雨の際や運転の挙動が怪しい際にのみAIが事前予測し警報する。「過去13年蓄積してきたプローブデータ(車両情報データ)を活用し、全国60万件以上の事故リスク地点で状況に応じて警告する」(モビリティサービスカンパニー・マーケティング担当・山浦敬太郎氏)という。
ドライブレコーダとしての基本機能も充実し、衝撃検知や急発進・急減速、急ハンドルといった危険警告機能のほか、意図しないあおり運転を防ぐために警告する機能も搭載した。走行中の通話性能を重視して大型スピーカも内蔵している。
レコーダは1カメラタイプと、前方と後方、前方と車室内の撮影ができる2カメラセットモデルを用意。今回はサブスクリプションサービスとして販売する予定で1カメラが月額1980円、2カメラが月額2480円(いずれも初期費用2000円、税別)となる。
ドライブレコーダと緊急通報と見守りを一つにまとめた初めての製品となり、モビリティサービスカンパニー・相木孝仁CEOは「後付けで安心安全の装備が付けられるサービスとして、事故や交通トラブルを減らしていきたい」と話した。
なお、新製品の売上げの一部は、交通安全などに関する社会貢献活動に寄付をするとしている。