2020.10.20 ワイヤレスイヤホン堅調音楽鑑賞に加えリモート会議にも

スポーツ仕様の完全ワイヤレスイヤホンも人気

ATH-CKR70TWの収納ケースと本体ATH-CKR70TWの収納ケースと本体

 巣ごもり需要により、オーディオ関連製品が世界中で好調。4Kテレビやホームシアター用のAVアンプシステムも売れている。

 スマートフォンやAV機器とブルートゥース(BT)で無線接続できるワイヤレスイヤホンも堅調で、音楽鑑賞のほか、リモート会議のツールなどソーシャルディスタンスが確保できるコミュニケーションツールとしても活用が進む。

 ■BTイヤホン、25年には2.5倍の成長

 IDCは9月、世界のウエアラブル市場の調査結果を発表。20年第2四半期(4-6月)の出荷台数は8616万台で、前年同期比14.1%増だった。

 耳装着型デバイスのイヤホン/ヘッドホンは5201万台、同32.6%増で、市場全体の60.4%を占めたと報告している。

 富士キメラ総研が5月に発表した「2020ワールドワイドエレクトロニクス市場調査」によれば、BTイヤホン/ヘッドホンの19年の出荷量は2億1千万台。

 25年には2.7倍の5億7100万台に達すると予測した。「ハンズフリー通話、生体情報のモニタリング、同時通訳などの機能が付加された製品の需要増で市場が大幅に拡大していく」と見ている。

 ■完全ワイヤレスが好調

 国内市場も好調だ。特に16年末発売のアップル「AirPods」に代表される、左右独立で耳穴に挿入して使う〝完全ワイヤレスイヤホン〟が伸長。

 BCNが9月に発表したリポートでは7月の販売台数が前年同月比31.9%増となった。「2桁成長を続けている」とし「ノイズキャンセル機能が付いた新製品発売が追い風になっている」と推察する。

 ■性能・機能・使いやすさも向上

 完全ワイヤレスイヤホンは数千円で購入できるようになり、参入者、製品数ともに増えた。

 当初は一部マニアが使うものだったが、今は幅広い年代層に浸透。音質やノイズキャンセル性能に加え、装着感、電車内などBTラッシュ空間での混信による音の途切れ抑制、電話通話のしやすさなどが製品差別化のポイントといえる。

 用途やデザイン性も追求されており、本体に限らず収納ケース兼充電装置も進化。ワイヤレスで小型筐体なので、持ち運びがしやすい形状にも気が配られている。

 オーディオテクニカはフルワイヤレスイヤホン「ATH-SQ1TW」(市場想定価格9千円前後)を16日に投入した。

 11月13日には、スポーツ仕様の「ATH-SPORT5TW」(同1万5000円前後)、音にこだわり通話品質も向上させた「ATH-CKR70TW」(同2万円前後)を発売する。

 ATH-CKR70TWはマグネットによってイヤホン部が収納ケースに確実に収められる。専用アプリには5chのイコライザ機能を搭載。ノイズキャンセルと周辺音を確認できる〝ヒアスルー〟機能も備える。

 ■広がるイヤホンの活用

 スマホで音楽を楽しむ目的で広まったワイヤレスイヤホンだが、リモート会議で音質と利便性が再確認され、利用者が増加した。

 徹底的な音響技術の追求と利便性の拡大は、国内1400万人超といわれる難聴者の聞こえも支援できるレベルに到達しているようだ。

 ほかのIoTデバイスとの連動で、必携のウエアラブルデバイスとなる可能性を秘めている。