2020.10.21 【計測展OSAKA特集】 Webとハイブリッド開催 59社・団体が147小間に出展

連日にぎわった「計測展2018 OSAKA」連日にぎわった「計測展2018 OSAKA」

 「計測展2020 OSAKA」(日本電気計測器工業会〈JEMIMA〉主催)が、大阪市北区のグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)を主会場に、きょう21日から23日まで開催される。新型コロナウイルス感染防止のため、リアルとオンラインによるハイブリッド型展示会「計測展オンライン・プラス」を初めて実施。オンデマンドセミナーやデモ動画、商談申し込みフォームなども取り入れ、リアルの肌触りとオンラインの利便性を融合させる工夫を行った。

 デバイスや計測制御などモノづくりの上流から、そのアプリケーションである下流までのトレンドを注力テーマとし、計測と制御の技術が新たなモノづくり革命に果たす役割と将来展望を広く発信するイベント。

 大阪での開催は16回目。59社・団体が147小間に出展する。来場目標は9000人。

 「IoTと工場設備」「次世代モビリティ」「AIと自動運転・自動化技術」「エネルギー革新」「ライフサイクルマネジメント」「環境対策」--の6テーマを軸に据えた。

 基調講演と特別講演をライブ配信

 初のハイブリッド型展示会となる今回は、ブース展示に加え、基調講演と特別講演をライブ配信する。会期終了後も11月6日-来年1月16日にオンデマンドで配信。聞き逃したセミナーや、出展者セミナー、JEMIMA委員会セミナーを視聴できる。

 講演資料のダウンロードも可能。「商談申し込みフォーム」から、アポイントメントや見積もり依頼などの申し込みもできる。

 公的機関の出展が過去最大規模に

 今回、公的機関の出展は過去最大規模になる。産官学連携企画として、経済産業省近畿経済産業局の米村猛局長が「関西経済の未来に向けて~第四次産業革命とウィズコロナ時代の中で~」と題して登壇。ロボット導入によるスマートファクトリー化、3D積層造形モノづくり全行程モデル化など、新たなイノベーションを創出するための関西の取り組みを紹介する。

 総務省近畿総合通信局の髙野潔局長は「5G元年 新たな日常~Society5・0とICT~」をテーマに、第5世代高速通信規格5Gやローカル5Gが果たすべき役割などについて講演。

 そのほか、自動車技術会関西支部の特別協賛講演も行われる。

 テーマセッションでは、SDGs(持続可能な開発目標)に注目。アフリカの抱える課題に関して、社会貢献活動とビジネス併存の可能性を探るパネルディスカッションを行う。

 学生のための見学ツアー・交流会も

 また、学生のための見学ツアー・交流会も実施。国内外の電子・電機・情報系専攻の大学生を対象とした業界研究プログラムの一環で、出展各社の第一線で活躍するマーケティング担当者が日本語・英語で対応する。産業ロボットやAI(人工知能)がけん引するスマートファクトリー最新動向や品質管理・メンテナンス、検査・計測・制御分野の価値や将来性について学べるプログラムだ。

万全の感染対策

 新型コロナ感染者数が依然として少なくない情勢下で開催するため、万全の感染予防対策を行う。

 会場各所に手指消毒用のアルコールポンプを設置し、トイレやロビーなどの共用部、エレベータのボタンなどを定期的に消毒するほか、スクリーニング用のサーモグラフィカメラを設置して、体温を測定。密とならないようレイアウトも考慮する。

 感染者発生時の追跡調査のため、大阪府が導入する「大阪コロナ追跡システム」を利用。QRコードでメールアドレスを府に登録し、同じ日に登録した人が、後日、新型コロナウイルスへの感染が判明した場合は、施設などの利用者にメールで注意喚起をする。クラスタ発生や発生の恐れが生じた際には、施設の利用者に連絡を行う。

 QRコードを1階エントランスなどに複数カ所掲示して周知を図る。出展者やスタッフを含め、来場者全員に登録を求める。

5Gなどに期待

 JEMIMAによる20年度の電気計測器の需要見通しは8606億円(海外拠点売上げを含む)。

 5G関連のインフラ整備や高機能品への投資拡大、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)など自動車関連への設備投資、アジア向け環境関連の輸出増を見込む。

 米中貿易摩擦の継続とコロナ感染拡大の影響で、世界的に経済活動が停滞した影響で、今後の見通しは不透明だ。それでも、5Gと新エネルギー自動車の市場拡大は有望で、関連した計測機器・ソリューションの需要拡大も期待される。