2020.10.21 【あかりの日特集】クラレ耐熱性ポリアミド「ジェネスタ」
ジェネスタの用途例(LED反射板)
LED向けで実績拡大
クラレは、LED関連材料として、LED反射板用材料の耐熱性ポリアミド「ジェネスタ」を展開。最近はIT機器向けのほか、LED照明や自動車車室内照明、看板ディスプレイ向けLEDなどの用途で実績を拡大している。
ジェネスタは同社が世界で初めて工業化したノナンジアミン(炭素数9のジアミン)を使用したポリアミド樹脂(PA9T)。芳香環と高級脂肪族鎖からなるユニークな化学構造の半芳香族ポリアミドで、耐熱性、低吸水性、耐薬品性などの優れた特徴を持つ。
用途は、従来はコネクタなどリフロー対応電子部品が大半を占めたが、近年はLED反射板での採用が増加。スマートフォンやタブレット、液晶テレビバックライト反射板向けなどで販売を伸ばしてきた。特に今年はコロナ禍での在宅ワーク需要増から、PCやタブレット用などが好調となっている。
さらに新用途として、LED照明や自動車(車室内LEDランプ、カーナビなど)、看板ディスプレイ向けLEDなどでの引き合いが増加している。照明用は中国のLED化率上昇などが需要を押し上げ。自動車や看板ディスプレイ向けでは、ピッチの小径化に伴って、信頼性の高いジェネスタが評価されている。
ジェネスタの特徴は①優れた耐熱性(融点306度と高く高温時物性に優れる。ハンダ耐熱性270度)②低吸水性(ポリアミドで最も低吸水。以上により表面実装時のブリスタ発生を防ぐ③優れたしゅう動性④優れた成型性--などが挙げられる。