2020.10.26 【次世代自動車用部品特集】回路部品小型化要求が高まる

回路部品は、車載特有の高信頼性技術ニーズを吸収した新製品開発を加速する

 車載用回路部品は、CASEの進展を踏まえた新製品開発を継続している。

 自動運転に向けてADASなど安全系の機能強化が進んでいる。そのため、ECUの搭載点数が増加。しかも小型化を要求される。そのため、抵抗器、コンデンサ、インダクタなども車載グレードでの小型化が要求されるようになってきた。

 さらに通信機能の強化が安全性の高度化で必要になってきたことから、車内通信ネットワークの高速化、高周波化に対応し、ノイズ対策用部品も小型、高性能化に向けた開発が進展する。

 ミリ波レーダーユニットなどでは、小型化のために高密度実装化への対応が求められ、回路基板は高周波回路と一般制御回路を同一基板に形成するハイブリッド基板がMSAP工法を使って実現。小型部品で回路を構成することで、ユニットの大幅な小型化を実現しつつある。

 環境保全、省エネ化でxEVが着実に普及。xEVは動力にモーターを使用し、コントローラ(制御装置)、発電機、インバータ、二次電池、DC-DCコンバータ、充電器などがモーター駆動関連の重要構成要素となっている。

 こうしたパワー系ユニットで使用される電子部品は、高温環境、振動・衝撃など自動車特有の条件における信頼性が強く求められるのが共通点。

 アルミ電解コンデンサでは一般的な電解液タイプに加え、最近では導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの新製品開発が活発化している。

 コイル、トランス関連は、信頼性の高いIGBT用絶縁トランス、ハイパワーで高精度の電流センサー、高効率のリアクタやチョークコイルなどの技術開発が進展。

 抵抗器は、高信頼性のハイパワータイプ、低抵抗のシャント抵抗器などが搭載される。

 いずれもシリコンベースからSiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)といった新しいウエハー材料を用いた高耐圧、高周波、高効率でスイッチングするパワーデバイスの技術トレンドに沿った新製品開発が進む。