2020.11.26 【ロボット・産業機械用部品特集】大陽ステンレススプリング樹脂成形品事業の取り組み強化
大陽ステンレススプリングは精密金属部品の専門メーカー。環境に優しいステンレスの金属素材を中心に、ばね部品、スペーサー部品、ブシュ部品、シャフト部品、ガイド部品などの設計・製造を行い、幅広い市場向けに供給している。
加えて、最近は樹脂成形品事業を最重点事業に位置付けており、同事業の強化に取り組んでいる。
長年培ってきた金属加工技術と新たな樹脂成形技術の融合を図り、インサート加工およびアウトサート加工を行っている。
射出成形された樹脂成形品は、金属に比較し軽量で耐熱性や耐薬品性に優れた製品もあるが、絶対的な機械的強度は金属で補う必要がある。同社は金属部品の特性と樹脂成形品の特性を組み合わせた製品を提案できるのが強み。
加工可能な樹脂製品の材質は、PPS、PBT、POM、PP、LCP、ABSなどの熱可塑性樹脂。
同社が扱っている組み合わせ可能な金属部品としては、インサートブシュ、スペーサー、カラー、シャフト、軸、平行ピン、板ばね、ワッシャー、座金、線ばね、コイルバネ、スプリングピン、コンパクトピンなどがある。
同社のインサートブシュ(WCH)は、同時成形に大変優れた製品。同社独自の合わせ目密着加工技術により成形時の樹脂漏れを防いで、また、新タイプのディンプル形状でインサート成形時に樹脂の入り込む体積を従来より多くすることによって、従来比(同社比)で引抜力1.7倍、回転保持力1.6倍を実現する。
同社は樹脂成形事業拡大のため、18年9月に、国内五つ目の工場となる「とちぎ千塚工場」(栃木県栃木市)を設立した。国内に樹脂成形工場を置くことで、顧客の開発、設計のニーズをダイレクトに捉えて、フレキシブルな対応につなげている。