2020.12.25 業界最高クラスの低損失性能を実現富士電機 パワー半導体新シリーズ

富士電機の「XシリーズIGBT-IPM」

 富士電機は、第7世代素子「Xシリーズ」の搭載により、業界最高クラスの低損失性能を実現したパワー半導体(IGBT)「XシリーズIGBT-IPM」を発売した。

 第7世代のXシリーズは素子の厚みを薄くし表面構造を微細化することで、業界最高クラスの低損失性能を実現したIGBT素子。

 同社従来品(VシリーズIGBT-IPM)と比較しインバータ動作時の電力損失を約10%低減。電力損失によって発生する熱を抑制し、設置面積を従来品より最大54%小型化した。

 IGBT-IPMはIGBT素子の過熱保護機能を搭載し、素子の温度が175度を上回ると、設備側の制御装置(コントローラなど)にアラーム信号を出力するとともに、スイッチング動作を停止し、故障を未然に防ぐ。新シリーズには素子の温度が150度を上回るとワーニング信号を出す業界初の「温度ワーニング出力機能」を搭載。ワーニング信号出力後、過熱保護が動作する175度に到達するまではスイッチング動作が可能なため、設備側の制御装置は任意のタイミングで生産設備を停止させ、メンテナンスを行える。

 ラインアップは定格電圧650V/定格電流20A、30Aから1200V/100-300Aまで。工作機械、汎用サーボドライブ、産業用ロボットなどの需要に向けて12月から量産を始めており、日本や中国を中心にグローバルに展開する。