2021.02.02 【コネクタ特集】コネクタメーカーへアンケート電波新聞社まとめ

 コネクタメーカー各社は21年も、グローバルで積極的に事業を展開していく。21年のコネクタ需要は、新型コロナの影響で低迷した20年から反転して「国内」「全世界」とも成長が予測されており、各社は自動車や産業機器、通信インフラ、携帯端末など成長分野での事業拡大を目指す。21年度の研究開発費や設備投資計画にも積極姿勢が見られる。

コネクタ需要予測

 21年(1-12月)の「国内」および「全世界」のコネクタ需要予測を聞いた。

 国内需要では、回答14社中、8割弱の11社が「10%未満の増」と回答。残る3社は「前年並み」で、「減」とした企業は見られなかった。

 グローバル需要については、回答14社中、最も多かったのが「10%未満の増」とした10社。「10-20%未満の増」とした企業も2社あり、「減」と答えたところはなかった。

 コネクタ需要は、18年後半以降、米中貿易摩擦激化などの影響で停滞。20年も新型コロナウイルス感染拡大による自動車市場の低迷などで前年割れとなったものの、21年は「国内」「全世界」ともに需要の反転が見込まれている。

2021年の拡販重点分野(用途)

 21年の各社の拡販重点分野について聞いた。トップの54ポイントとなったのは「自動車電装品」。2番目は「産業機器(含むFA)」で47ポイントだった。

 以下、「通信・放送インフラ関連」「携帯電話/スマホ」「医療機器」の順で続いている。

 このほかにも「ウエアラブル端末」「家電/住設」「パソコン」「環境・新エネルギー関連」といった多様な分野が拡販重点分野に挙げられた(集計方法=上位5分野を挙げてもらい、1位5ポイント-5位1ポイントとして集計)。

21年度のコネクタ部門の研究開発費計画

 21年度のコネクタ部門研究開発費計画(20年度比)を聞いた。

 回答11社と母数は少ないが、最も多かったのは「前年並み」とした6社だった。「10-20%未満の増」とした企業も1社あった。

 コネクタ業界においては、ここ数年、積極的に研究開発費を計上してきた企業が多い。各社では21年度も、新製品開発や生産技術開発などへの積極的な取り組みを進める。

21年度のコネクタ部門の設備投資計画

 21年度のコネクタ部門の設備投資計画(20年度比)に関する質問では、回答11社中、最も多かったのは「前年並み」の6社。「増」とした企業は3社で、「減」と回答したのは2社にとどまった。

 コネクタ各社の設備投資は14年度ごろから高水準が続いている。20年度には、コロナ禍を踏まえ、不要不急の投資を抑制する動きも一部では見られたものの、21年度も基本的には投資への積極的な姿勢が見て取れる。

コネクタ部門売上高計画

 各社のコネクタ部門売上高の「20年度見込み」と「21年度計画」を聞いた。

 20年度見込みでは、回答12社中、最も多いのは「前年並み」と答えた6社。「増」とした企業も全体の3分の1に当たる4社に達した。

 21年度計画では、回答12社中、8社が「増」と回答。うち2社は「10-20%未満の増」と答えた。

米中摩擦への対応

 コネクタ各社に、米中貿易摩擦による事業への影響や対応策などを聞いた。

 「米中貿易摩擦の自社事業への影響」の質問では、回答15社中、8社が「直接的な影響は受けていないが間接的な影響を受けている」と答え、最も多かった。「大きな影響を受けている」も2社あった。

 「米中貿易摩擦への対応策」(複数回答)では、回答12社中、3分の1の4社が「グローバルでの生産地変更を実施している」と回答し、グローバルでの生産体制最適化への取り組みが進んでいることが明らかとなった。

アンケート回答企業一覧

 ▽I-PEX▽イリソ電子工業▽SMK▽オータックス▽京セラ▽ケル▽河野エレクトロニクス▽小峰無線電機▽サムテックジャパン▽タイコエレクトロニクスジャパン▽七星科学研究所▽日本航空電子工業▽日本端子▽ヒロセ電機▽ホシデン▽本多通信工業▽ヨコオ。(17社/五十音順)