2021.03.26 【中国拠点特集】立花エレテック香港持ち株会社で海外事業拡大
中村 MD
立花エレテックは、海外子会社8社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス(TOH、香港)」で海外事業を拡大している。
20年度通期(1-12月)業績は顧客の電子デバイス需要に機を逃さず対応できたことで売上高、利益ともに19年度を上回ることができた。20年4月に全株式を取得した八洲電子ソリューションズ(現・立花電子ソリューションズ)の業績を除いても19年度比増収増益。1月以降の業績も1-12月の伸び以上で推移している。
TOHの中村喜則MDは「新型コロナウイルス感染症拡大を抑えた中国に加え、中国から生産移管が進んだASEANの半導体、電子部品需要が活発だった。1月以降も需給がひっ迫している半導体や電子デバイス製品などの前倒し需要で、受注は大幅に増えている。実需の注文か、部品確保の注文かをしっかり見極め、仮需要の反動も考慮して市場を見ておかなければならない。大事なことは民生、一般産業、自動車など、いずれの市場も回復していることは間違いなく、お客さまが必要とされているものの情報をできるだけ早く得て、メーカーに確定注文を出し部品、部材をきちんと確保し、供給していくことだ」と話す。
立花電子ソリューションズの海外事業は、中国をTOHの上海・香港で、ASEANはシンガポールとタイで引き継いでおり、両社の顧客にそれぞれの商材を販売していくなど、グループとして情報共有しながらシナジー効果の発揮を加速している。
また、新型コロナ禍で3密回避や自動化など、モノづくり現場の要望にキメ細かく対応していくために、上海と深圳に開設しているFA技術センターでの技術サポート体制を強化。
現地のシステムインテグレータとの連携を強め、現地エンジニアの増員も図り、華東、華南に加え、華北でのリモートによる工場まるごと見える化、製造ラインまるごと見える化などのスマートファクトリーニーズに、技術商社としての対応力を高める。
21年度も上海、深圳の関連展示会に出展し、同社のシステム技術力、ソリューション提案力を紹介する。
半導体、電子部品とともにFAシステム販売を増やし、TOHの事業領域を広げていく。