2021.04.21 英CVC、東芝買収を事実上撤回混乱収束へ
東芝が英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズから、買収に関する検討を中断するという内容の文書を受け取った。買収提案を事実上撤回したとみられる。CVCが6日に初期提案を行ったことを発端に、車谷暢昭前社長兼CEO(最高経営責任者)の辞任にまで発展した東芝での混乱は、ひとまず収束に向かいそうだ。
東芝の発表によると、CVCからの書面を19日に受領した。株式非公開化を前提としたCVCの初期提案に関して詳細情報は記載されておらず、「非公開化が東芝の経営陣や取締役会の戦略的目的に合致するかについてのガイダンス(方針説明)を待つため暫時検討を中断する」という内容だった。
東芝は、買収者の資本構成や買収後の具体的な経営方針など、取締役会が提案の検討を行うために必要な情報が提供されていないとも指摘。その上で「初期提案を評価することは不可能だ」と結論付けた。
さらに、東芝の株主構成が企業価値に悪影響を与えているというCVC側の主張にも反論し、「取締役会としてはそのように考えていない」と強調した。
1月に約3年半ぶりの東証1部復帰を果たしたことにも触れ、「誇りに思っている」とコメント。「上場会社としてのメリットを生かすことが企業価値の向上につながると現時点では確信している」との認識も示した。