2021.04.27 「ネプコンチャイナ2021」(上海)盛況実装機やはんだ付け装置など日系各社も出展
多くの来場者でにぎわった「ネプコンチャイナ」(上海)
「ネプコンチャイナ2021」(主催=リードチャイナ)が21日から3日間、上海世博展覧館で開催され、多くの来場者で連日にぎわった。
「ネプコンアジア」(8月、深圳)と並ぶ中国最大規模の表面実装技術・材料・製品を中心とした製造関連の専門展示会で、今年で第30回を数えた。両展示会とも毎年開かれるが、昨年はコロナの影響で「ネプコンアジア」のみの開催になった。
中国では政府の徹底したコロナ封じによって製造業が昨年6月ごろから立ち直り、エレクトロニクス関連産業はEV(電気自動車)、第5世代高速通信規格5G、半導体、生産自動化設備など内需向け中心に、現在はコロナ以前を上回ると言われる生産が続く。省人化、スマート化の要求が高まる中、実装機など製造装置需要も拡大している。
中国で事業拡大狙う
会場には実装機、基板検査機、ディスペンス、材料などのエリアが設けられ、中国企業やグローバル市場で競争する主要企業が中国ビジネスの拡大を狙い出展した。
実装機エリアでは表面実装技術で世界をリードするFUJI、ヤマハ発動機、JUKI、ジャパンユニックスなど日系企業が現地法人や代理店を通じて出展し、進化を続けるスマートファクトリーほか最先端の装置を出品。ASM(シンガポール)やハンファ(韓国)など主要な海外勢もブースを構えた。
FUJIは「FUJIスマートファクトリー」を新プラットフォームに位置付け、表面実装ラインの完全自動化を目指した次世代実装機「NXTR(ネクストアール)」を中心に披露した。ヤマハ発動機は自社ブースと代理店WKKブースの2カ所のブースを設けた。実装機YSM20R、YSM40RはじめSMDストレージシステム(部品保管庫)などを展示し、1社で実装ラインがそろう「ワンストップソリューション」を提案。マス商事ほか同社代理店も参加した。
JUKIは、実装機RX-7R、RS-1R、印刷機RP、検査機RV-2-3DH、後工程の異形実装機JM-20/100、部品自動倉庫ISM3600など、様々な組み合わせによる実装工程の自動化・効率化をテーマに、実装ラインの最新ソリューションを訴求した。ジャパンユニックスは代理店のWKKを通じてネットワーク対応など最先端のはんだ付けロボットを出品し、来場者の関心を集めた。ASMアッセンブリーは新世代の実装機SIPLACE SX、SIPLACE TX、高性能印刷機Neo Horizonなどを紹介した。
はんだ付け装置・材料エリアでは、タムラ製作所や武蔵エンジニアリングなどの日系、HELLER(米国)、JT(中国)、紫光集団(中国)、YXLON(ドイツ)などのブースが展開された。
加賀電子と協業しているJTは6ゾーンのリフロー装置を主力に提案。ハイエンド電子機器の研究開発、製造を行う中国の国家ハイテク企業の徳森精密設備(DESEN)は、SMT全自動視覚印刷機、FPC全自動フィーダー、全自動高速塗布機などを出品した。
基板検査エリアには、日系ではオムロンやCKD、サキコーポレーション、韓国勢のコーヨン、PARMI、ミラテック、台湾系ではTRIが参加した。AOI、SPI共に3次元(3D)方式が主流になってきた。サキコーポレーションは中国代理店の上海世星電子を通じて出展し、Lサイズ基板対応3D-AOI「3Di-LS2」(シングルレーンモデル)などを展示した。
開催3日間で約3万3000人(19年比20%増、リードチャイナ発表)が訪れた。「中国製造2025」政策により内需主導の製造業が活気づく中、出展各社は「需要の拡大が加速する」と期待を寄せている。
ネプコンアジア2021は、8月25~27日に深圳のコンベンションセンターで開催される。