2021.06.21 「みちびき」の測位補強サービス活用PALTEKがシャシー位置管理システム提供

 PALTEKは、準天頂衛星システム「みちびき」のサブメートル級の測位補強サービス(SLAS)に対応したシャシー位置管理システム「docomap Trailer」のトライアルユーザーを今月から募集し、今年10月から量産受注の開始を予定している。

 同システムは、ドコマップジャパンが開発した、GPS端末を車両に取り付けて車両の位置情報がシステムに記録される仕組みの「Docomap GPS」と、PALTEKのグループ会社のエクスプローラが開発した準天頂衛星システムみちびきのSLASを活用したトレーラーシャシーなど車両の静態管理ができる測位ユニットを、ドコマップが提供する「DoCoMAP」上で確認できるサービス。

 ドコマップジャパンは、2017年11月から小型GPS端末を車両に搭載する形で車両動態管理ソリューションを展開し、現在200社以上の企業が利用している。docomap Trailerを活用することにより、トレーラーシャシーの輸送時に発生する駐車場での捜索時間や順番待ち時間の削減など物流業界におけるトラック運転手の負荷軽減が可能になる。

 トラクターヘッド運転席部分に取り付けたDocomap GPS端末から得られる動態情報、トレーラーシャシーに取り付けた測位ユニットから得られる静態情報を、GPS車両位置情報管理システムDoCoMAPのアプリケーションで一括で簡単に確認することができる。

 専用スマートフォンアプリで端末番号を選択したら位置を表示するほか、事前に駐車場と位置情報を設定することで、駐車場番号の表示が可能になる。測位ユニットはコンテナやシャシーに設置したまま、1年程度の電池駆動ができる。

 既存の測位方法では10メートル以上の誤差が生じるが、みちびきのSLASを活用することで、より正しく駐車位置を確認することができる。

 アプリはメンテナンス日程が近づいたコンテナの位置の表示、同じ駐車場に停車している日程をカウントしてアラーム表示するなどの機能を備えている。

 既存の港湾部でのシャシーなどの駐車管理は、管理人が目視で駐車位置の確認を行い、トラック運転手に駐車番号と車両番号を記載した手書きの札を渡すケースが多い。しかし、広い駐車場での位置管理は間違いが起こりやすく、またシャシーなどが指定の場所に駐車されていない場合は、トラック運転手が管理人と一緒にコンテナを捜索しなければならない。

 配達期限などの制限のある輸送案件の場合、このような時間ロスは極力減らすことが求められる。同システムはこうしたニーズに対応して開発した。