2019.11.07 【新技術】「スピン異常ホール効果」を利用して磁石に情報を書き込み 東北大金属材料研究所が2倍近い効率で変換を実証

(図1)(a) L10型鉄白金(FePt)規則合金の結晶構造の模式図。(b) 今回行った実験の概念図。FePt合金層//銅(Cu)層/鉄ニッケル(FeNi)合金層から成る巨大磁気抵抗膜に対して電流を流し、FePt合金層のスピン異常ホール効果によって生成されたスピン流がFeNi合金層の磁化に与える影響を実験的に調べた

【概  要】
 スピンの流れ(スピン流)を積極的に利用し、磁石の方向で情報を記憶するスピントロニクス素子は、半導体エレクトロニクスだけでは難しい機能性(例えば低消費電力化など)を実現できる次世代デバイスとして期待を集めている。

 しかしながら、スピントロニクス素子は、①電流とスピン流との変換効率をいかに向上させるか、さらに②どのようにスピン流を使って情報を磁石に書き込むのか、といった課題に直面している。<...  (つづく)