2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】ダイトロン第10次中期経営計画に取り組む
土屋 社長
ダイトロンはダイトロンは3月30日付で土屋伸介取締役常務執行役員が代表取締役社長に昇格し、前績行社長が代表取締役会長に就いた。10年ぶりの社長交代となったが、経営体制の若返りとさらなる経営基盤の強化を図ることが狙い。土屋社長は「国内の販売状況は好調に推移している。今年度スタートの第10次中期経営計画で打ち出した取り組みに力を入れる」と話す。
同社は2017年に製造子会社2社との3社合弁で「製造・販売」を融合したダイトロンをスタート。17~20年の4年間の第9次中期経営計画では、統合効果の最大化と売り上げ・利益の本格化を推進。事業構造の変革を加速してきた。結果、19年まで売上高は6期連続で増収を達成。20年はコロナ禍の影響で減収となったものの、1月からの21年は好調に推移している。
土屋社長は「国内販売が好調に推移している。電子機器・部品事業は半導体製造装置がよい動き。足元の状況も好調に推移している。今後の見通しも悪くはない。IoT、自動化、EV、自動運転、デジタルトランスフォーメーションに関連する動きが始まったばかりでこれまでの勢いは続く。海外でも今後同様の動きが見られる」と話す。
今年1月から3カ年の第10次中期経営計画がスタートした。計画の戦略基本方針として①事業構造の変革を推進する②統合効果の最大化を推進する③注力領域・市場を明確化し、成長を加速する④持続的成長に向け、チカラを高める--の四つを掲げた。事業構造の変革では海外事業の強化、オリジナル製品の拡販、新規事業の育成に注力。海外は東南アジアを強化。オリジナル製品は設備機器と電子部品に注力して利益率を高める。新規事業ではソフトウエアのビジネスに活路を見いだす。
また、前中期経営計画で取り組んできた製販融合の取り組みは人事交流などで加速。自動車やメディカルなどターゲットに領域・市場を明確化する。土屋社長は「グローバル展開を推し進め、さまざまな市場でオリジナル製品の開発などを進める。最終的にはグローバル市場に新たな価値を創造できる企業となりたい」と語った。