2021.08.24 【地域店 防災・減災商品の取り組み】キタノヤ電器 長野県伊那市 北原國人会長

スマートHEMSの説明パネル

 集中豪雨やそれに伴う河川の氾濫が全国で相次いでいる中、災害に対応する商材への注目が集まっている。地域電器店では、地元に根付いている強みを生かし、その土地に合った対策商品を提案している。過去にあった災害を教訓にして、適切な商材を提案する店や、今後起こる可能性がある災害に対して備えを提案する動きもある。各店の取り組みを追った。

分かりやすいパネルでHEMS訴求

 キタノヤ電器(長野県伊那市、北原國人会長)は、店内にスマートHEMS(家庭用エネルギー管理システム)を分かりやすく表現したパネルを設置して、お客の興味関心を刺激することで関連する商品の販売につなげている。

 同店のパネルでは、HEMSに関する電気の流れをLEDの光で分かりやすく表現している。北原会長は「お客さまの関心を引き付けるだけでなく、従業員は接客がしやすくなった。関連商品そのものを見せるだけでは伝わらない魅力をしっかり伝えることができる」とパネル展示の効果を話す。

 パネルで見せる電気の流れは、1種類だけでなく、昼間の通常時と停電時、夜間の通常時と停電時の4パターンある。お客が興味のある状況に合わせてボタンを押すことで、それぞれの状況が行う電気の流れを見比べることができる。

 太陽光パネルや蓄電池などに興味があるお客は多いが、価格などさまざまな理由で導入へのハードルが高い。同店では、接客を通じて、通常時の使用メリットだけでなく、停電時についても訴求することで防災へも意識を向ける。北原会長は「災害などへの不安をあおるのではなく、備えることで安心につながることを伝えるように心掛けている」と災害という大きな不安要素に真摯(しんし)に向き合い、お客に寄り添う接客を続けている。