「事業のサービスシフト」が順調

　新型コロナウイルスの感染拡大で市場環境は変わり、クラウドシフトやサブスクリプション化が進むとともにICTを活用した既存の社会課題の解決も加速している。当社は2021年度から「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」とする、3カ年中期経営計画を策定した。

　中計では、自動化、帳票、メインフレームの主力ソフト製品のサービス化や、「IT活用」「事業推進」「ソーシャル」の三つのカテゴリー別戦略に基づいたクラウドサービスの展開、農業経営の課題を解決するサービス開発やバスなどの移動体向けの密対策サービスの展開を進め、「事業のサービスシフト」に向けた取り組みが順調な立ち上がりを見せている。

　依然として続くコロナ禍の環境下で企業の設備投資に対する姿勢は慎重になっているが、ビジネス継続を目的とした通信やデータインフラなどへのデジタル技術導入やDXを実装するための投資は増えていくとみる。今後はDXを加速させる企業や、テレワーク環境下の業務生産性の向上を目的としたデジタル活用とセキュリティー対策などを進める企業が市場をけん引していくだろう。

　策定した中計の重要施策のひとつとして「企業価値向上に向けた経営基盤の強化」を掲げており、価値と成果の関係性を常に意識したサービスやソリューションを今後も展開していく。

　プロダクトサービス事業では既存製品のサービス化やユニリタクラウドへの移行といったサービスシフトを提案し、クラウドサービス事業ではデータ駆動型経営に欠かせないデータ連携サービスなどに注力する。今期から設置したイノベーション開発センターに開発体制を集約し開発効率とスピードを上げる計画だ。

　プロフェッショナルサービス事業では、DXとデータマネジメントへの投資意欲の高まりを捉え、プロダクト・クラウドの各種サービスと周辺のコンサルティング、インテグレーション、アウトソーシングまで絡めたトータル提案を強化し、より付加価値の高いサービスを提供していく。