2021.09.29 【ASEAN特集】岡本無線電機おおとりエレクトロニクスベトナム

松尾 GD

アフターコロナ見据え現地顧客開拓へ営業強化

 岡本無線電機のベトナムでの営業拠点、おおとりエレクトロニクスベトナムは、アフターコロナを見据えて現地の顧客開拓を進めるため、セールス活動を強化する方針だ。将来的にはハノイでの拠点開設や技術者配置など、フォロー体制の強化、付加価値機能の強化を目指す。

 同社はASEANにおいて、シンガポールやタイのほか、ベトナムで展開。ベトナムは2012年にホーチミンで設立し、セールスマン3人など合計5人体制で活動する。今年で10年目を迎える。

 おおとりエレクトロニクスベトナムの松尾渉ゼネラルディレクター(GD)は「19年から現地に赴任しているが、翌年に新型コロナの感染拡大の影響を受けてロックダウンなど活動が制限された。この1年半はデリバリーにしっかり対応している状況」と見る。

 足元の状況は、一般商品向け、住宅設備向けの需要が活発で、4~6月は前年同期比140%で推移。7、8月はロックダウンの影響もあり落ち着いているが、9月には需要が回復した。上期は前年同期を上回る予想だ。

 今年度はコスト削減にも注力しており、利益を着実に高めている状況。ホーチミンではワクチンの接種率が急激に上がっているほか、来年には経済活動を含め、ベトナム政府が活動制限を緩和する方針を出している。「来年には営業活動ができるように体制を整える」(松尾GD)。

 これまで、日系企業へのアプローチを強めていたが、現地ローカル企業への提案活動も推進。有力顧客獲得のため、人のつながりから開拓につなげる。「ベトナムでは、地域にもよるが、外出規制の緩和や工場の正常稼働に向けた動きなど経済活動が復活しつつある。見積もり依頼などもあり、企業のビジネス活動が強まりつつある。しっかりと対応したい」(松尾GD)。

 来年度以降は活動の強化を視野に入れた取り組みを進める。利益を高めた上で、首都ハノイへの拠点開設を目指す。同時に人材採用も行い、現地の人脈や地の利を生かした活動を推進。将来的には技術機能も強化し、高い付加価値機能を持つ拠点としての活動を目指す。松尾GDは「足元での対応力を強め、ハノイに拠点を作りたい。同時に人脈を生かした営業展開も推進する。現地の有力企業の獲得にも努めたい」と語った。