2022.02.21 シャープがAIネックスピーカー音声アシスタント機能搭載
音声アシスタントとの対話でさまざまな生活シーンで幅広いサービスが利用できる
シャープは、オーディオ事業における中核商品の一つウエアラブルネックスピーカー「AQUOS サウンドパートナー」の提案に力を入れている。2018年に発売して以来、累計販売が40万台を超えるヒット商品となっているが、このほどクラウドファンディングを利用し、昨秋に目標金額の8倍を超える支援者を得た〝身につけるAIスピーカー〟AN-SC1(オープン価格)を、今月25日から発売する。新製品により、AQUOS サウンドパートナーの新たな展開につなげていく。
同社は、18年11月に軽量88グラム設計のAQUOS サウンドパートナーAN-SS1を発売。ウエアラブルネックスピーカーに参入し、現在はその後継となるAN-SS2をラインアップしている。また、19年3月には音質重視のAN-SX7Aも発売。音質重視の〝没入〟派、使い心地重視の〝ながら〟派それぞれの視聴ニーズに応える品ぞろえで販売を伸ばしている。
新製品のAN-SC1(市場想定価格=税込み2万5300円)は、Wi-Fiに接続することで、手元にスマートフォンなどがなくても、音声アシスタント機能(Amazon Alexa)が使える。
音声アシスタントとの対話により、さまざまなサービスが利用できる。ニュースや音楽を聴いたり、調べものをしたり、またテレビやエアコンの家電製品や、照明器具など音声アシスタント対応機器を音声で操作することもできる。
側面のアクションボタンを押すと、音声アシスタントが起動。「ニュースを読んで」と話し掛けると、最新のニュースが読み上げられ、聴きたい音楽のジャンルをリクエストすると、音楽配信サービスによって選曲された音楽を楽しめる。
アラームやタイマー、スケジュール、天気予報、スポーツの試合結果を教えてくれるサービスなど、たくさんの機能やサービスを利用できる。
身に着けて使用するので、キッチン・洗面室や寝室、ベランダなど、さまざまな場所で安心して操作できる生活防水対応(IPX4)となっている。さらに、約92グラムの軽量設計により長時間の使用でも快適な使い心地を実現する。
マイクを搭載しており、スマホのハンズフリー通話はもとより、パソコン(PC)とつないでビデオ会議など、さまざまなシーンにも活用できる。
同梱のブルートゥース送信機は、低遅延コーデック「Qualcomm aptX Low Latency」に対応。テレビの映像と音声のズレを抑制し、無線接続でも違和感のない音声を実現する(送信機から約10メートル以内)。
ウエアラブルネックスピーカー市場は、家事やウオーキングをしながら音楽を聴く、家庭で映画や音楽を楽しむといったニーズに応える新しいオーディオ製品として需要が伸びている。
ウエアラブルネックスピーカーの利点は、首に掛けて装着することでイヤホン、ヘッドホンのように周囲の音を遮ることなく、ワイヤレスでテレビの音声やスマホの音楽を耳元で聴ける点だ。
近年、テレワークが浸透してスマホ、PC用のヘッドセットとして利用する人が増えており、軽量で耳をふさがず、ワイヤレスという点でも支持が伸びている。
新製品は、ウエアラブルネックスピーカーで同社として初めてWi-Fi接続に対応し、音声アシスタント機能を搭載、新たなゾーンに展開する戦略機種といえる。
喜多村和洋執行役員スマートディスプレイシステム事業本部長は「ただのスピーカー、またテレビの周辺機器として終わらせず、唯一の身に着けるマイク付きスピーカーとして〝司令塔〟にもなり得る商品で、将来のシャープAIoT戦略にもしっかり組み込んでいきたい」と話した。