2022.03.02 【コンデンサー特集】日本ケミコン車載・産機・ICT市場に照準

導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー「HXFシリーズ」

ハイブリッドアルミ電解コンなど新製品揃える

 日本ケミコンは車載市場、産機市場、ICT市場をターゲットにしたコンデンサーの新製品をそろえている。

 チップ形導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー「HXFシリーズ」は、従来品比で最大2.1倍となる業界最高水準の耐リプル電流化を達成した新製品。耐熱性においても150度での使用が可能だ。自動車の機電一体型インバーターの小型化や、電気自動車(EV)の走行インバーター制御回路の高信頼性に応える。

 定格電圧範囲は25~63V、静電容量範囲は33~330μF。製品サイズは、φ8×10L~φ10×10Lミリメートルのバリエーションを用意した。

 さらに同種のハイブリッドコンデンサーでは、独自の封止構造で従来品の2倍の長寿命化と40Gの耐振保証を実現した「HXUシリーズ」を開発するなど、車載電装、産業機器、通信基地局などに代表される高信頼用途への提案力を高めている。

 リード形アルミ電解コンデンサーでは、小型・高容量化を実現した「KXQシリーズ」を商品化。従来品との比較で実装面積を20%削減できる(450V100μF品での比較)。耐久性105度1万時間/1万2000時間、定格電圧400~450V、静電容量範囲47~180μF。製品サイズはφ16×20L~φ18×45Lミリメートル。AEC-Q200に準拠。車載オンボードチャージャーの小型軽・量化に貢献する。

 基板自立形アルミ電解コンデンサーは、「KHEシリーズ」の性能をアップグレードし、従来比約20%の高容量化を図った「KHEシリーズ」アップグレード品を開発した。

 同アップグレード品の定格電圧とサイズ体系は、従来同様に400~450V、φ25.4×25L~φ35×60Lミリメートルをそろえる。静電容量は210~1500μFで、従来品KHEシリーズに対し、体積当たり容量を最大約20%高容量化することに成功した。

 通信基地局向けでは、通信インフラなどの高温環境下で使用される電源向けに、同社従来品に比べ大幅な高容量化や長寿命化を実現した高耐熱タイプのリード形アルミ電解コンデンサー「GXMシリーズ」を開発。従来の高耐熱製品「GXFシリーズ」より、最大約1.7倍の長寿命化を達成したほか、静電容量も61%の高容量化を図った。定格電圧450Vまで対応する。

 一方、電気二重層キャパシターでは、リード形製品が好調だ。自動車の電動ドアロック解除をはじめ、シフトバイワイヤ、電動パワーステアリング、ドライブレコーダーなどのバックアップ電源に提案していく。

 量産中の「DKAシリーズ」に加えて、定格電圧を2.7Vに高めた「DKGシリーズ」を開発した。高電圧化とともに、従来品比最大20%の小型化も達成している。カテゴリー温度範囲マイナス40~プラス65度、静電容量50F。製品サイズφ18×40Lおよび50Lミリメートルを商品化する。