2022.03.01 島津製作所と東ソー液体クロマトグラフ装置に関する協業開始
左から島津の馬瀬嘉昭分析計測事業部事業部長、東ソーの笠井正信バイオサイエンス事業部事業部長
島津製作所と東ソーは1日、液体クロマトグラフ(LC)装置に関する協業を開始した。バイオ・中分子医薬品業界をターゲットに、島津が自社のLC装置と東ソー製のカラムを合わせて販売する。
近年、医薬品市場では抗体医薬品に代表される「バイオ医薬品」や、ペプチド・オリゴ核酸を活用する「中分子医薬品」の開発が加速。現在の両医薬品の市場規模は小さいものの今後の大きな成長が見込まれ、2030年には核酸医薬品が2兆円、抗体医薬品が33兆円の規模になると推測されている。
医薬品開発が加速すると、分析装置の需要にも影響。島津は、医薬品の開発から品質管理まで活用されている、LC装置の国内シェア1位。同社は2月3日、バイオ・中分子医薬品市場に特化した高速LC装置「Nexera XS inert」を発売するなど、同医薬品市場の規模拡大を見込んだ製品を市場投入している。
今回の協業により、同社は自社のLC装置と、東ソーのカラムをセットで販売する。カラムはLC装置の重要な部品で、東ソーは国内トップシェア。同社は世界で認知度が高い「TSKgel」ブランドのカラムを展開している。
両社の強みを組み合わせ、カラム・装置を自社ブランドで展開する大手外資系競合に対抗、バイオ医薬品市場での事業を拡大するのが狙いだ。
(3月9日付の電波新聞・ヘルスケア面に詳細を掲載します)