2022.03.17 感染や「指紋盗難」も防ぐ空中ディスプレー産学連携で開発進む
空中で像を結ぶ仕組みのイメージ(提供=山本教授)
イメージが空中に表示される「空中ディスプレー」の開発が、盛んに行われている。非接触でエレベーターなどの操作ができるという衛生面だけではなく、パネルに残った指紋データが悪用されるといった「指紋の盗難」への対策にもなる。コンビニのセルフレジなどにも取り組みが進んでいる。
アルプスアルパインは先ごろ、新技術を発表した。開発に協力しているのは宇都宮大学の山本裕紹教授。この分野の第一人者で、道路標識や救命胴衣などで使われる「再帰反射技術」を応用した映像の空中表示をはじめ、3Dディスプレーなどの研究に取り組んでいる。
広い範囲からも見えることなどが、山本教授の技術の特徴。これを生かせば、たとえば、自動車のキャビンで、運転席前のイメージを助手席からも見やすく、技術が活用されやすい。
工場やエンタメなど多くの領域への展開を想定する山本教授。空中にサイネージなどができれば、ビルをはじめ公共空間の動線確保にも便利だ。「精密加工や高機能材料が性能を左右する。金型など日本の要素技術の強みも生かしやすい」と展望する。
(18日の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)