2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日経電子部品工場名幸電子(広州南沙)有限公司 メイコー

和田 専務

広州工場広州工場

車載やスマホ用主力に品質重視し生産性を改善

 メイコーは、中国にプリント配線板工場2工場(広州市、武漢市)を展開。車載やスマートフォン用を主力に生産品目の高付加価値化に努め、自動化・省人化で生産性を向上させている。

 広州工場「名幸電子(広州南沙)有限公司」は、敷地面積約13万平方メートル。車載用基板の専用工場として、両面板、多層基板、ビルドアップ基板などを製造。武漢工場「名幸電子(武漢)有限公司」は、敷地面積約13万9200平方メートル。中華系スマホやIoT家電、車載、LEDディスプレー、通信モジュール向けに、両面板、多層基板、ビルドアップ基板などを製造。ともにIATF16949認証を取得済み。

 メイコーの和田純也取締役専務執行役員は中国工場の動向について、「車載を中心に順調な受注・生産が続いている。ピーク時からは少し落ち着いているが受注残高は極めて高水準」とし、「広州では高付加価値のビルドアップ基板の生産がEVやインバーター向けに伸びている。武漢は半導体不足に伴う中華系スマホの生産調整があり、今後は中国ローカル基板企業との競合もあるが、引き続き量より質重視で展開する」と話す。

 武漢工場では、通信モジュールやスマホでの高密度ビルドアップ基板要求に対し、L/Sが40マイクロメートル/40マイクロメートル以下の微細化技術適用エニーレイヤー基板や10層エニーレイヤー基板などを量産化。「今後も中華系スマホのフラッグシップ向けの生産を伸ばしていく。中国スマホ市場は5G化で一層高周波要求が強まるため、高周波特性に優れた基材活用を強化する」(和田専務)。

 両工場ともに2021年度の生産額は、コロナ前の18年度を上回る見通し。22年度もさらに売り上げを拡大する計画。今後の展開について和田専務は「車載の電動化と自動運転化関連製品の生産を強化し、より品質を重視していく。生産性改善にも力を入れる。省エネやリサイクル活動も強化し、メッキ工程でのパラジウム再資源化排水の汚泥含水率低減による環境負荷低減などを進める」と話す。