2022.06.09 「環境DNA」で生物多様性を見える化東北大などが世界初のデータベース

DBが紹介されているコンソーシアムのサイト

 水中や土壌などには、生物の排泄物や粘液など、生物由来のDNAがある。「環境DNA」と呼ばれるこうしたデータを活用し、魚類の生物多様性がわかるデータベースを、東北大学などが構築した。今月から運用を開始、世界で初めてのデータベースとして活用を呼び掛けている。

 生物の状況の調査はふつう、捕獲や直接観察に頼る。しかし、環境DNAの技術は、「バケツ1杯の水から」でもデータ収集できるのが強み。海運会社や市民らも加わって継続的な調査体制を確立し、生物多様性回復や漁業などの産業貢献をめざす。

ITやロボティクスも活用へ

 中心になっている研究者は今後、ITやロボティクスの企業などにも参画を得て、取り組みを拡充したい考え。「海洋国家・日本」発の産官学の連携として注目されそうだ。

(10日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)