2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】マス商事高水準なSMT需要に対応、海外拠点の人員増強

大金 執行役員

 製造装置商社のマス商事は、ヤマハ発動機(ロボティクス事業部)代理店として、実装機を中心にプリント基板検査装置、クリームはんだ印刷機などSMTに関わる装置を幅広く扱う。

 国内のほか中国(蘇州、深圳)、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム(ハノイ、ホーチミン)、メキシコ、インドに営業拠点を構え、海外展開する日系企業向けのビジネスに対応する。

 海外拠点ではマストレーディングシンガポールをヘッドとして傘下に各営業拠点を組織している。

 海外営業を統括する大金裕和営業統括本部執行役員(マストレーディングシンガポールMD兼務、タイ駐在)は「製造業は、半導体はじめ部品不足が厳しい状況にあるが、実装機などSMT関連装置の需要は落ちていない。タイでは家電やOA機器向けに実装機の売れ行きが伸びており、インドネシアやマレーシアなど東南アジアでは全体的にSMT関連需要が好調だ。中国でのコロナによるロックダウンの影響を受け、生産を東南アジアの工場に移したり、日本に戻したりするケースもある。部材不足や部材価格の値上げ、地政学的なリスクなどさまざまな課題から先行きは不透明だが、年内のSMT需要は高水準で推移するとみている」と説明する。

 ヤマハ発動機は、SMTに産業用ロボットやYRH(ヤマハロボティクス)グループの製品を加えたクロスセルを推進する。

 大金執行役員は「SMTラインを一元管理するためにヤマハの装置でそろえたい、という顧客が増えている。YRHの半導体後工程のボンディング装置は、マレーシアや中国で引き合いが出てきている」と話す。

 タイは事務所が手狭になったことから、このほど移転した。また、営業やサービス体制強化のために、海外各拠点の人員を合わせて約20人増強する計画で、サービス要員に女性も採用している。

 インド市場では、オートバイや車の電装基板実装に伴う需要をメインに開拓を推し進めている。