2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】サンワテクノス「顧客セグメント戦略」を強化 エリアを超越する組織

田中会長兼社長

 サンワテクノスは、2030年度(31年3月期)に向けた長期ビジョン「Sun-Wa Vision2030」を策定。これを踏まえ、22年度から第11次中期経営計画「SNS2024」(3カ年)をスタートした。

 新中計では最重要経営指標を営業利益額とし、最終の24年度(25年3月期)に営業利益70億円の達成を目標に置く。

 新中計の基本方針には①イノベーションが求められる成長分野への注力②より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供③サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献、の三つを掲げた。

 分野別では積極的リソース投入セグメントに「半導体製造装置」「ロボット/マウンター」「工作機械」、選択的リソース投入セグメントに「FA機器」「車載」「設備」を設定し、「これら6分野を成長エンジンに位置付け、戦略的な取り組みを進める」(田中裕之会長兼社長)。

 事業戦略面では、より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供に向け、「顧客セグメント戦略」を強化する。「従来のエリア戦略、代理店戦略に加え、4月1日付で顧客セグメント戦略を明確に組織化した。エリアを超越して顧客を開拓するための組織をつくり、顧客の業界ごとに特化したサービスをグローバルに展開する」(田中会長兼社長)。

 顧客セグメントチームは計30人で組織され、それぞれのチームの責任者には執行役員クラスの人材を配置している。

 直近の事業動向について田中会長兼社長は「業界の設備投資意欲は依然として旺盛だ。各国が利上げに動いているため、景気にブレーキがかかると作り過ぎの状況が発生するリスクはあるが、現在は堅調に推移している。今後もサプライチェーン維持に重点を置き、物流を含めて体制強化に努める」と話す。

 同社では近年、「スマート営業所」の拡充にも力を入れている。スマート営業所はバックオフィスを持たない小規模の営業拠点で、顧客から近い場所でサポートを行うことにより、サービス強化につなげている。