2022.09.08 【掃除機特集】ハイパワーのスティック型が伸長

清潔・快適ニーズの高まりでコードレススティック掃除機への関心が高まる

 コロナ禍で在宅時間が増え、室内の清潔・快適性向上への関心が強まる中、掃除機の販売が好調に推移している。中でも軽量で取り回しに優れ、ハイパワーなコードレススティック掃除機が伸びており、今後も堅調な需要が見込まれている。

 掃除機市場では、従来主流だったキャニスター掃除機(紙パック/サイクロン型)が減少し、軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機が主力商品となっている。

 この傾向は、今後も続き、キャニスタータイプの掃除機は漸減し、コードレススティック掃除機の構成比がより高まっていくとみられる。これに合わせ、掃除機各社から軽量かつハイパワー、長時間運転、デザイン性に優れた製品の投入が活発になっている。

 掃除機市場は、コロナ禍に見舞われた2020年度、5年ぶりに増加に転じ、前年比11.8%増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と2桁伸長した。

 21年度も、好調だった20年度の水準をやや上回り、前年比101%の493万1000台を記録。2年連続で増加し、依然として旺盛な需要がある。さらに、22年度に入って7月までの累計は前年同期比18.7%増の174万2000台と、再び2桁伸長へ回復している。

 金額ベースに至っては同62.1%増で推移、単価が上がり好調さが目立つ。買い替え需要や2台目需要が顕在化し、清潔・快適ニーズが強まっていることがうかがえる。

 掃除機の中で主流となったスティックタイプの構成比は68.7%(21年度/シャープ調べ)まで高まっている。18年度にキャニスタータイプをコードレススティックタイプが上回って以降、台数構成比は高まり続けている。このため、キャニスター掃除機からスティック掃除機への買い替え需要が、今後も顕在化するとみられるほか、2台目需要の高まりにも期待がかかる。

 コードレススティック掃除機のスペック、デザインは年々進化しており、軽量化、長時間運転の実現、ハイパワー化はもとより、壁の隅まで集じんできるヘッドの改良、ブラシへの髪の毛の絡みにくさなどのメンテナンス性向上、インテリアに映えるデザイン採用など、幅広いニーズに対応する総合的な商品戦略に力が入っている。

パナソニックの主力製品「パワーコードレス」MC-NS10K、セパレート型クリーンドック搭載、ごみ捨てなど掃除後の負担が大幅に軽減

 パナソニックは、掃除の始まりから終わりまで、ラクに使えて、しっかりキレイ。をコンセプトに、同社独自のセパレート型コードレススティック掃除機を昨年10月から発売、好調に推移している。

「ラクに使えて、しっかりキレイ。」を実現するパナソニックのセパレート型コードレススティック掃除機MC-NS10K

 「パワーコードレス」MC-NS10Kは、国内で初めてスティック本体から分離したダストボックスを充電台に内蔵した、セパレート型のクリーンドックを搭載する。

 1回の掃除ごとに本体にたまったごみをクリーンドック内の紙パックに自動収集する。これにより、スティック本体のごみ捨てをなくし、掃除後の手入れを大幅に軽減する。

 ダストボックスを分離したことで、本体はスリム・軽量を実現。クリーンドックに設置された本体を手前に引くだけで簡単に取り出せ、手元にかかる重量が約0.45キログラム(本体質量約1.5キログラム)と、掃除中は軽く動かすだけで操作できる。

 さらに、掃除終了後もクリーンドックに設置するだけでごみの収集と充電が自動で開始するため、掃除の始まりから終わりまで負担が大幅に減る。

 クリーンドックの紙パックの交換は1カ月に1回で、紙パックのため簡単・清潔に交換できる上、ノズルは髪の毛やペットの毛も絡みにくい「からまないブラシ」搭載で、手入れの負担も大幅に軽減できる。

 本体にはクリーンセンサーを搭載しており、約20マイクロメートルの微細なごみもランプで知らせるため、見えないごみも逃さず掃除できる。

 クリーンドックには「ナノイーX」を搭載。掃除後にスティックを戻すと、1日当たり約4時間、ナノイーXが放出され、紙パック内に集めたごみを除菌・脱臭する。