2022.09.22 環境と人に優しい倉庫が海老名に誕生 三井不動産が仕掛ける

全面に設置された太陽光パネル

地中熱も活用する地中熱も活用する

LED照明に照らされる倉庫LED照明に照らされる倉庫

暖かな雰囲気のサブラウンジ暖かな雰囲気のサブラウンジ

 神奈川県海老名市の東名高速道路と圏央道が交差する場所に、三井不動産が整備を進めてきた物流拠点が完成した。最高ランクのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を取得した、環境配慮型のグリーンエネルギー倉庫だ。

 同社自身のカーボンニュートラル(CN)に加え、テナント、ユーザー各社の物流段階のCNにも寄与する。

 竣工したのは、三井不動産ロジスティクスパーク海老名Ⅰ(MFLP海老名Ⅰ)。ここでは、環境関連の取り組みを様々に盛り込んでいる。

 特長の一つは、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)で最高ランクのZEB認証を取得したこと。ZEBは、室内環境の質を保ちながら建物のエネルギー消費量をゼロにすることを目指した建物。省エネと創エネによって、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指している。

 太陽光パネルの全面設置で、100%のグリーン電力供給を可能にした。倉庫にはLED照明を導入し、テナント事務所には地中熱ヒートポンプとデシカント空調の利用で、CO₂排出量を50%以上削減する。エントランスやラウンジの仕上げ材には、同社のグループ企業が保有する森林の間伐材を利用するようにした。

 高速道路から眺望できる特徴を生かし、多数のデザイナーが意匠を凝らした外観作りをした。内装にもこだわり、テナントの従業員が働きやすい魅力的な環境作りを目指した。

 業界で初めて、テナントが自由に使えるよう、アウトドアで人気のスノーピーク製品も設置し、テナント関係者同士のコミュニケーションを育む空間となっている。

 10月1日からの本格運用までの期間は見学対応をするほか、さらに関心を持ってもらおうと「マルシェ」のイベントも企画。小学生のランニング教室や、スタンプラリーで防災設備を学んでもらう、という仕掛けを準備した。

 同倉庫では大きくは展開していないが、三井不動産は倉庫産業のDXにも取り組んでいる。効率化だけではなく、グリーン、DXといった要素が、ロジスティクス業界でも付加価値として一層求められることになりそうだ。

(26日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)