2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】カトーレックのASEAN工場 EMS事業、世界同一品質・サービス展開
加藤 社長
カトーレック(東京都江東区)は、EMS事業とロジスティック事業を展開し、EMS(電子機器製造受託サービス)事業が売り上げの70%を占める。
EMSの製造拠点を国内(高松・本社工場、松山)、中国(蘇州、広州)、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、メキシコ(ティファナ、グアナファト)、インド(プネー、合弁)に設けている。生産増強を進めベトナム工場第2棟、インドネシア工場第4棟が2020年6月に、フィリピン工場第3棟が21年6月に竣工(しゅんこう)した。インドについても生産増強を検討している。
各工場は、多品種少量生産に対応するフレキシブルな生産体制と、世界いずれの工場で生産しても同一品質、同一サービスを提供するグローバルプラットフォームと位置付けている。
加藤英輔社長は「半導体や電子部品の不足が解消方向に向かう中で、総じて各製造拠点の生産活動は順調。最近は、ODM(相手先ブランドによる設計・製造)の案件やユニットの組み立て案件が増え、体制を強化している」と述べる。
基板実装を中心に受託する製品は、家電やAV、車載、情報・通信、住宅設備機器、産業機器、医療機器、航空・宇宙機器まで幅広く、最近は車載が増えている。
日系企業の受託が多いが、最近では中国や米国、インドといった企業からの受託も増加傾向だという。
加藤社長は「工場のスマート化に取り組んでいる。ASEANのいずれかの工場をモデル化し、横展開する。スマート化のための設備投資も進める。省人化、自動化により生産効率や生産のさらなる質的向上を目指す。製造業の日本国内回帰が見られる中で、国内工場についても量的拡大が不可欠になっている。国内の生産体制増強を検討している」と話す。
営業、購買機能の「グローバルEMSセンター」を高松(高松市)に設けているが、新たに第2オフィス(高松市)と大阪オフィス(大阪府吹田市)を設けた。