2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】カナデン(タイ)(カナデン) 「ONE ASEAN」構想を推進

峯村 社長

 カナデンは「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」としてFAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4分野で事業を展開する。海外は中国、香港、シンガポール、タイ、ベトナムに現地法人を構え、FA機器や半導体・デバイス製品のシステム販売によるソリューションビジネスを強化している。

 タイには販売会社のほか、システムの設計・構築を行う会社、および調達・新規商材開拓を担う会社、計3社の現地法人を擁している。

 また、日系企業を中心に、タイの現地法人3社、シンガポール、ベトナムの現地法人とも連携した「ONE ASEAN」構想による事業の拡大も進める。

 カナデントレーディング(タイ)の代表も務めるカナデン(タイ)の峯村潤社長は「タイ経済はコロナ禍から徐々に回復し、半導体不足などの影響が続くが、食品、鉄鋼、繊維など、さまざまな業種で動きが活発になっている。当社の事業も計画通り推移し、顧客は新規の設備投資よりも生産自動化の設備更新やIoT化、DX化の投資に積極的で、今後も継続するとみている」と語る。

 制御系、ロボット、IoT、環境の4ソリューションを重点に取り組んでいる。制御系は、顧客の既存設備のリニューアルなどに合わせて、シーケンサーなど最先端の三菱電機製FA機器・コンポーネントを提案し、IoTは三菱電機が推進するFA統合ソリューション「e-F@ctory(イーファクトリー)」を視野に置いた見える化や省エネなどのソリューション提案を強化しており、顧客の製造現場に向けたロボットなど具体的なシステムを受注し、システム設計や構築まで請け負っている。

 環境関連ビジネスとしては、新冷媒を採用したエアコンやコンプレッサーなどによる省エネ、工場などの屋根の断熱、配管の再生、廃熱利用などを手掛ける。半導体・デバイスビジネスは、シンガポールの現地法人が主に担当していたが、タイにも専任者を置いて強化する。

 峯村社長は「ASEAN連携として、新規ベトナム案件をタイの人脈からシンガポールの販売ルートへつないで商談を進めたり、グローバルユーザーへはソリューションを共有し、多角的な提案を進めているなどの事例があり、ONE ASEANをさらに拡充したい」と述べている。