2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】リ・チャンプ(たけびし) 新規の取引先・エリア開拓に挑戦

田村 代表

 たけびしは、今年度の売上高895億円を目指している。うち210億円を海外売り上げとし、海外売上比率23%(前期19%)に高めようとしている。主軸となるのは昨年6月に子会社化したシンガポールで電子部品・機器販売を行うLe Champ(South East Asia) Pte Ltd。好調だった昨年の実績を、今期さらに上回ろうと取り組んでいる。

 1982年にシンガポールに設立したLe Champは、東南アジアを中心に8カ国14拠点で展開している。顧客数は約600社、仕入れ先は約200社。スタッフは全体で約140人体制。21年1月期の売上高は約120億円強、22年1月期で前期比120%の約150億円を見込む。

 1~6月の状況は昨年の好調さをキープしており、前年同期比2桁アップで推移。売上比率9割を占めるコンポーネント事業が過去最高実績で推移している。マシニング事業も実装装置向けビジネスが大口案件の獲得で大きく伸びた。7月以降も同様のペースが続いており、好調さを維持している。

 就任2年目を迎えた田村裕明代表は「エリアではインド、マレーシア、シンガポールがよい動き。インドは自動車、二輪車向け、マレーシアでは産業用通信機器向け、シンガポールでは家電向けが好調」と話す。

 10月以降は、在庫調整などで一部ペースダウンの懸念があるものの、新しい取引先の開拓と新しいエリア開拓にチャレンジし、実績を高めようとしている。現在、200社ある取引先の中で次の軸となる企業との連携を強化。メインの仕入れ先以外で、新たな企業30社をターゲットに仕入れ先の拡大を目指す。

 また、新たなエリアでは拠点のあるインドやマレーシア、フィリピンの未開拓地域の展開を強化。インドでは人材強化を図りエリアを拡大。マレーシア、フィリピンではマシニングビジネスを強化する。メインのコンポーネントビジネスも同様に伸ばす。

 田村代表は「たけびしと当社は仕入れ先、顧客がそれぞれ違う。お互いの仕入れ先を紹介するなど相乗効果も図ることができる。マレーシアでは、この春から日本の仕入れ先を現地に紹介。手応えを感じている。また、現地の商材を日本に紹介する取り組みも推進している。クロスセルの効果を最大限に生かす」と話している。