2022.12.27 アズビルがMEMS技術の開発新拠点 藤沢テクノセンターに
MEMSセンサーを開発・生産する新実験棟(104建物)
アズビルは研究開発の中核拠点「藤沢テクノセンター」(神奈川県藤沢市)に新たな実験棟を2棟建設し、27日、報道陣に一部公開した。
新棟「103建物」はクラウドや人工知能(AI)を活用した先進的なシステムソリューションと計測制御機器を研究開発する施設。
「104建物」は差圧・圧力発信器や真空計など主要製品の計測制御機器に搭載する重要部品「MEMSセンサー」を生産するためのクリーンルームを備える。計測器の精度を確認するための校正室も新設した。
クリーンルームは最新の仕様で整備された。プロセスエリアと機械エリアを仕切る壁を設置し、設備搬入による空気汚染を防ぐ。生産をする区画の清浄さを確保する仕組みだ。
新棟では校正能力も強化。産業技術総合研究所の技術支援で高精度な真空校正装置を設置する。「民間で最も精度の高い装置」(同社)で、0.01pa精度の標準器としてMEMS真空計を校正する。
山本清博社長は新棟について「アズビルの持続的な成長には不可欠な施設」と説明する。
CO₂排出量の測定や計測データのトレーサビリティーなど、カーボンニュートラルを目指す動きの中で「計測の信頼性がより求められている」と指摘。新拠点で、計測器の精度を高めながら「MEMSの基礎研究など開発に一段と力を入れたい」と話す。
(28日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)