2023.01.01 【AV総合特集】各社の23年事業戦略 バッファロー 渡邊泰治取締役副社長
渡邊 取締役副社長
Wi-Fi6Eで業界けん引
Wi-FiはIoT機器ではなく一つのインフラに
昨年はPC周辺・ネットワーク機器業界でも、半導体不足や生産調整などを起因とするサプライチェーンの混乱から、供給の見通しが立たず、大変な一年であった。原材料価格や物流費の高騰、円安による値上げ基調の中、バッファローは安定供給を最優先に、お求めやすい価格の維持と品質、サポートの強化に努め、お客さまが安心して機器を購入できる体制に注力した。
主力商品のWi-Fiブランド「AirStation(エアステーション)シリーズ」は、累計出荷台数が6000万台を突破し、お客さまには大変感謝している。
昨年9月に総務省が電波法施行規則などの一部を改正し、新しいWi-Fi規格「Wi-Fi6E」が認証された。Wi-Fi6Eは、従来の二つの周波数帯(2.4ギガヘルツ帯と5ギガヘルツ帯)に加えて、6ギガヘルツ帯が利用可能となる、Wi-Fi6の拡張規格。Wi-Fi6Eの登場で、これまでのWi-Fiでは利用されていない、混雑や干渉の少ない周波数帯を利用して、より快適なWi-Fi環境を構築できるようになると期待されている。
Wi-Fi6E認可直後に、対応モデル「WNR-5400XE6シリーズ」を発売し、いち早く市場に投入、規格の認知と市場の活性化を図った。今後、Wi-Fi6E対応の端末が普及すれば、三つの電波帯域を使い、より快適にネットワークを利用できるようになる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でテレワークが推奨され、家庭内Wi-Fiの重要度は上がり、今や重要なインフラの一つとなったWi-Fiを通して、お客さまの日々の生活の質を向上できるよう、また将来を見据えた早めのアプローチで、業界のけん引と市場の拡大に努めていく。
23年は「ネットワークを提供する企業」として、個人用途以外でも、法人向けに「ネットワークでDXを支援」をテーマとして、「人手・IT人材不足」「BCP(事業継続計画)対策」「テレワークのインフラ構築」の三つを中心に商品、サービスを拡充し、事業を加速させる。
SOHO・中小企業から大企業まで規模に合わせた商品ラインアップで提案を進めており、人手・IT人材不足を解決するため、インターネットから現地に赴かずとも監視・簡易操作ができる、リモート管理サービス「キキNavi」や、BCP対策のための「キキNaviクラウドバックアップ」を展開している。
商品を開梱することなく、キキNaviへの機器一括登録・設定を事前に登録できる「キキNaviゼロタッチ」のリリースや、お求めやすい価格のVPNルーターなど、DX化への支援体制を強化し、困り事の解決に寄与できるようワンストップで対応している。
バッファローは今後とも、誰もが簡単に、安心してインターネットに接続でき、より安全で快適にデジタルデータを利用できる喜びを提供していきたいと考えている。
不透明な状況が続くが、「つなぐ技術で、あなたに喜びを」をスローガンに掲げ、質の高い商品・サービスで社会をつなげていきたい。