2025.12.26 NTTドコモビジネス、福岡と東京間でリハビリ支援を実証 IOWN×触覚伝送で

デバイスを使って東京にいるトレーナーから指導を受ける参加者

 NTTドコモビジネス九州支社は、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」と触覚伝送技術を組み合わせ、リハビリ支援を遠隔で実現する「未来のヘルス&ウェルネスケアステーション」の長距離間のデモを、23日に公開した。福岡市中央区にある九州支社と、東京都千代田区にある本社をIOWN APN(オール光ネットワーク)で接続し、回線距離で1500km離れていても同期が可能なことを実証した。これまでで最長の距離という。

 未来のヘルス&ウェルネスケアステーションは、離れた場所にいるトレーナーと体験者を大容量・低遅延のIOWN APNでつなぎ、専用デバイスを通じて誘導することで、リハビリやトレーニングを支援する。

 村田製作所子会社のミライセンス(横浜市西区)が開発したデバイスを両手に持つと、離れた場所にいる人の左右の手を、特殊な振動で同じ動きをするように促す。この触覚伝送に加え、高精細な映像や音声など複数の感覚情報を同時に転送することで、同じ空間でサポートを受けているような体感を実現する。同時に複数人の体験も可能だ。

 本社のOPEN HUB Parkから、イノベーションセンターIOWN推進室の荘司哲史エバンジェリストが解説にたち、九州支社のCROSS LAB Fukuokaにいる記者からの質問にも、リアルタイムで答えていた。

 IOWN の活用では、福岡市東区にある九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりで、IOWN構想をもとにスマートサービスに取り組んでいる。他にも、北海道で進む半導体産業や地域などの課題を解決する事業コンセプト「HOKKAIDO IWON CAMPUS」や、2031年に移転予定のNTT本社を含む「光の街」づくりpowered by IOWNなどがある。

 吉田優子九州支社長は、省エネルギーなIOWNの活用で、全体のエネルギーマネジメントを実現するワットビット構想を利用したデータセンターの誘致や、北海道のような半導体産業などとの取り組みは、「九州地域の課題解決の役に立てるのでは」とみている。