2023.01.04 【家電流通総合特集】SCEAが Sマークの普及拡大へ ツイッターなどで浸透図る
昨年11月に公式ツイッターを開設
若年層や主婦層をターゲット
電気製品認証協議会(SCEA)が、一般消費者へのアプローチを強めるため、Sマークの新たな広報宣伝活動に乗り出している。店頭でのリアルな広報活動だけでなく、ツイッターでのSNSを駆使したPRやラジオ番組への協賛など、若年層や主婦層への浸透も狙った取り組みを加速している。
「消費者へのアプローチを強めることで、Sマークに対する流通側の関心をもっと高めたい」。Sマークの普及拡大の一手として、SNSでの情報発信を行う平井雄二事務局長はそう力を込める。
SCEAが消費者を対象に2021年に実施した認知度調査では、Sマークを「知っていた・見たことがある」との回答は全体の28%。決して高い数値とは言えず、そのテコ入れを狙って昨年11月、ツイッターの公式アカウントを開設した。
認知度拡大に向け、フォローとリツイートしたフォロワーの中から抽選で、空気清浄機などが当たるキャンペーンを1月31日まで実施し、フォローしたくなるようなアプローチにも取り組む。ツイッター上では、消費者が関心を持ちそうな電気関連の豆知識を定期的につぶやいている。例えば「電線に止まった鳥が感電しない理由」や「電圧が日本は100V、外国は200Vである理由」などだ。
SNSを活用した認知度拡大に加え、小学校でもSマークを取り上げてもらえるように、全国小学校家庭科教育研究会にアプローチする考えも示す。Sマークの存在を早くから認識してもらうための活動の一環だ。若年層向けにはユーチューブでSマークを説明するモーションまんがを公開している。一方で、文化放送のラジオ番組で昨年11月9~21日には、主婦層をターゲットにSマークの告知を行うなど幅広に取り組んでいる。
21年でSマークの店頭普及率は66.2%。製品別ではテレビが97.0%と最も高く、次いで洗濯機(95.4%)、冷蔵庫(89.5%)と続く。いずれも高額製品のカテゴリーだ。調査品目で最も低いのは、海外メーカー品の扱いが多いフードプロセッサーの28.4%になる。日本の消費者が重視する製品の信頼性の担保について、Sマーク取得にかじを切る海外メーカーも市場で存在感を発揮してきている。その一社が中国ハイセンスだ。
平井事務局長は「日本国内で市場シェアを拡大しようとすると、特に製品の安全性・信頼性に対するPRが欠かせない」と指摘。第三者認証機関の〝お墨付き〟となるSマークの取得を重視する海外メーカーも増えつつある。
今後は、Sマークを重視する輸入事業者のインタビューをWebサイトやユーチューブに公開することでメーカー、流通双方の関心を高めるとともに、ツイッターなどを通した消費者への認知度拡大で、Sマークを商品販売のPRに生かせるような提案をしていきたい考えだ。