2023.01.11 【電子部品総合特集】スミダコーポレーション 堀寛二社長 グローバルな顧客への体制構築
堀 社長
2022年度(22年12月期)の業績は非常に好調に推移した。車載、民生機器、産業機器の各分野が好調で、特にEV関連の受注は全般的に増加した。脱炭素関連の太陽光発電設備や急速充電器、またFA関連も全般的に売り上げが拡大した。直近では民生関係が若干スローダウンしているが、22年は全体的に良い年だった。
23年度は現中期経営計画(3カ年)の最終年度であり、中計方針に沿った活動に継続して取り組む。23年も大きな流れは変わらず、成長できると思う。22年2月に中期計画の最終年度目標を上方修正したが、修正目標も達成できると考えている。
EVの需要は23年も強いとみている。EV市場は勢いが増しているように感じる。22年は非常に好調なEV/xEV関連の需要に応えるため、ベトナム・クアンガイ第3工場の増築を決定し、予定通り完成した。クアンガイ第3工場は23年から生産を立ち上げる。
加速するのは地産地消への対応。米中経済摩擦が継続しているため、ASEANの体制をもっと強化する必要がある。インド市場への対応も含め強化していく。今後、需要に応じて検討を進める。NAFTAへの対応も強化する。最近の業界では米国回帰の動きも進んでいるため、メキシコ工場も拡大させていかないといけない。欧州、米国、中国、ASEAN、日本という全ての地域で多くの案件が出てきているため、今後も注力していく。
23年は産機関係も伸びると考えている。太陽光発電などの再生可能エネルギー関連や急速充電器、FA、5G基地局、ロボット、データセンター関連などが期待分野。産機関係の新規案件の獲得が順調に増加している。
当社では現在でも多くの受注残があり、エネルギー価格上昇や高インフレ、コロナの問題など多くの課題がある中でも顧客からのフォーキャストは強い。今後、半導体不足が解消に向かえばEV以外のガソリン車の需要も回復してくると思う。
インフレで全体の景気が下がったとしても、成長するマーケット、成長する顧客へのマーケティングを強化し地道なデザインイン活動を継続していく。それによりプロジェクトのパイプラインが常に増えていくという良いサイクルをつくっていく。グローバルな顧客に対応できる体制をしっかりと構築し、機敏に対応していく。