2023.01.10 【製造技術総合特集】東芝インフラシステムズ スマートファクトリー実現へ 総合力で新たなサービス提案

岡庭 技師長

 東芝インフラシステムズは産業分野のDXを推進し、顧客のスマートファクトリー実現を支援している。ハードからソフトまで幅広い製品をそろえる総合力を生かし、顧客の求めるスマートな製造現場を実現する。

 2022年度(23年3月期)上期は半導体製造装置向けの受注が好調だったものの、部材不足の影響で産業用コンピューターやコントローラーの生産が伸び悩んだ。下期に入ると高水準だった半導体製造装置向けの受注に一服感が出始めた。鉄鋼業向けの圧延計測器は、更新需要を前に安定的に推移。23年は21年から続いた活況から一転、スローな立ち上がりとなる見込みだ。

 産業システム事業部の計装ビジネスユニット統括責任者である岡庭文彦技師長は「23年には、旺盛な受注を受け開発が遅れていた新製品のリリースを予定している。近年、注力してきたソフトウエア技術を生かした製品ラインアップも拡充しており、中小規模の顧客にも提案を加速する」と話す。

 新製品は、スリム型産業用コンピューターFA2100シリーズの新機種を上市予定。また、22年4月に上市した、ユニファイドコントローラーnv-packシリーズの新製品「typeCP」は、小型組み込み産業用コンピューター「CP30」をベースに、ソフトコントローラーを内蔵。産業用コントローラーと産業用コンピューターを一体化することで、省スペースとコスト削減を実現する。

 製造現場のスマート化が急速に進む中、同社もスマートファクトリーや産業分野のDXを実現する幅広いソリューションを提案していく。その中核となるのが「産業システムDE(デジタルエボリューション)・DXプロジェクトチーム」。顧客のDX推進を支援し、顧客に新たな価値を提供する。

 さらにグループ企業である東芝デジタルソリューションズ(TDSL)との連携も強化しており、新たなソリューションやサービスも拡充している。「当社が得意とする保守・運用(OT)技術にTDSLのIT技術を融合させることで、さらなる強みを生み出せる」(岡庭技師長)とし、顧客に最適なソリューションを提供していく。