2025.04.01 電機大手が入社式 日立、パナ、ソニーなどAI時代担う人材に期待
日立のキャリアキックオフセッションには約830人が出席
新年度がスタートした1日、電機各社が入社式を開催した。トランプ米政権の関税施策の動向など不透明感が拭えない半面、AI(人工知能)などデジタル技術の活用が進み、各社とも業績は順調。各社トップからは変化への対応や挑戦、自己実現といったキーワードが挙がり、次代を担う若手への期待が示された。
2021年度から入社式と名乗らず「キャリアキックオフセッション」として開催している日立製作所は、京王プラザホテル(東京都新宿区)で式典を開催。新卒800人、24年度入社の経験者30人の計830人が参加した。
德永俊昭社長兼CEO(最高経営責任者)は、「一人称で動くこと、アジリティー(変化への柔軟な対応)を実践していくこと、トランスペアレンシー(透明性)を持つことの3つを一人ひとりが意識してほしい」などと述べた。
パナソニックホールディングスグループは約1500人が入社。新育成プログラムを導入した今年、本社(大阪府門真市)で入社式ではなく「The Day.1」を実施した。会場には、グループのパナソニック オペレーショナルエクセレンスの新入社員を含む約100人が参加した。

楠見雄規グループCEOは、「職場ではフレッシュな視点で大胆なアイデアを出し、積極果敢にチャレンジし続けてほしい」と檄を飛ばした。
ソニーグループはZepp Haneda(東京都大田区)で合同入社イベントを開催し、24年度の中途入社と25年度の新入社員約1000人が参加。イベントではソニーミュージックに所属する芸人のAMEMIYAや、やす子、ハリウッドザコシショウ、ねぐせ。によるライブも行った。
十時裕樹社長CEOは、自分が知らないことを気付かせてくれるものが「多様性」であり、「知らないことにあふれたソニーで新たな学びを成長の糧にしてほしい」と期待を込めた。

三菱電機は技術系704人、事務215人の計919人が入社し、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で入社式を行った。漆間啓社長は、「パーパスを立て仕事を通じた成長と自己実現につなげてほしい。業務だけでなく、全社や社外、グローバルに視野を広げて交流してほしい」などとエールを送った。
東芝は東京ビッグサイト(東京都江東区)で入社式を行い、本社と主要3社の新入社員計483人が参加した。
式では島田太郎社長CEOが自身で作成した「AI島田太郎」や社内SNSの積極的な活用も呼びかけ、「これから一緒に新たな東芝を築いていけることを楽しみにしている」と激励した。

シャープは、6年ぶりに本社(大阪府堺市)で対面を基本とした入社式を開催。関係会社を含め新入社員計402人(技術系156人、ビジネス系105人、関係会社141人)が入社した。沖津雅浩社長CEOは、「25年度からは会社も再成長へとステージが変わる」と強調し、積極的な挑戦を呼びかけた。