2025.07.10 次世代通信「IOWN」の体験拠点 AKKODiSコンサルティングが開設

川添氏(左)と川崎社長は握手で協力関係を示した

APNを活用した実演も行われたAPNを活用した実演も行われた

 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するAKKODiSコンサルティング(東京都港区)は本社内に、NTTが開発中の次世代情報通信基盤「IOWN」の体験ブースを開設した。技術革新と人材開発を同時に促す役割を担い、IOWN構想の実現を後押しする。

 6月に新設したのは「AKKODiS IOWN FUSION BASE」で、光信号を用いてデータを伝送するIOWNの中核技術の一つ「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」に注目。APNの回線による低遅延で大容量の通信技術を体感できる設備を備えている。 

 IOWN構想の意義や知識を学ぶ研修拠点としての役目も果たす。IOWNの技術に精通したAKKODiSの社員が中心となり、多様なステークホルダー(利害関係者)との共創を促すという。

 6月に行われたテープカットセレモニーでAKKODiSコンサルティングの川崎健一郎社長は、ブースの名称について「知と知の融合によって新たなものを生み出したいという思いが込められている」と説明した。

 同社は、2024年に入ってIOWN構想の実現に向けた取り組みに注力。「IOWN推進室」の新設に続いて、同年3月には同構想の推進団体「IOWN グローバルフォーラム」に参画した。昨夏には同構想に関する基礎知識を習得できる「IOWN基礎研修」を発表し、今年4月に実践的な内容に刷新した。

 川崎社長は「日本発のIOWNは世界のデファクトスタンダード(事実上の標準)になりうる技術。その状況を作るために、技術を活用し社会実装できる人材を育成することが役目だ」と意欲を示した。

 セレモニーには、IOWNグローバルフォーラム会長の川添雄彦氏も登壇。川添氏は「NTTグループの中だけでなく、AKKODiSも含めてさまざまなパートナーと連携し、インターネットを超える世界を目指すような場所を創り出したい」と強調。今回と同様の拠点を広げることに意欲を示した。