2025.07.11 【電子部品技術総合特集】ヒロセ電機 小原秀取締役技術本部長
小原 取締役
顧客ニーズ対応を重視
新製品売上比率30%以上へ
ヒロセ電機は、最先端領域で培ってきた高度な技術と多彩な開発力を強みに、市場のニーズに適合したさまざま製品をラインアップしている。モノづくり力強化にも力を注いでいる。
小原秀取締役技術本部長は、研究開発方針を「技術とマーケティングを融合し、いかに顧客ニーズに対応していくかを重視している。その中で、新製品売上高比率30%以上を目指している」と説明する。
技術本部は、従来のコネクターの製品開発に加え、2019年から、以前は生産本部傘下だったコネクターの生産設備開発部門を技術本部内に組み込む形に変更した。
「技術の高度化に伴い、生産技術の難易度も高度化しているため、製品開発の初期段階から製品設計と設備開発がしっかりキャッチボールしていかないと、うまく立ち上げることができない。開発のスピードアップ要求も強まっている」(小原取締役)とし、これらに対応できる組織体制を構築した。
小原取締役は、同社R&Dの特徴について、「技術者自らが顧客の困り事や顧客のアプリケーションを理解し、潜在ニーズに思いを巡らせ、仮説を検証する作業に取り組んでいる」と話す。
その代表的イベントとして3年に一度開催の「ヒロセ技術展」があり、今秋は横浜と大阪で開催を予定している。「ここで、仮説に基づいた製品コンセプトを、顧客との会話を通じて検証し、次の新製品に結び付けていく」(小原取締役)。
同社は①コンシューマー②産機③自動車の3本柱での力強い成長を方針に掲げる。これに合わせ、技術本部は、これら3分野と次世代の技術を担当する部門の計四つの組織で構成されている。
開発体制のグローバル化では、韓国ヒロセコリアでも独自の研究開発に取り組むほか、中国や米国、欧州などの各拠点にもFAE(フィールド・アプリケーション・エンジニア)を配置し、技術サポートを強化。現地技術者の採用も順次進め、徐々に規模を拡大している。
他社とのアライアンス/コラボレーションにも積極的に取り組んでいる。技術本部のスローガンの一つが、「コラボレーション/コ・クリエーション」だ。特に生産技術開発では協力会社とともに、新しい手法の開発や、めっき技術開発などに取り組んでいる。アイオーコア社との業務提携による光アクティブコネクターの研究開発も推進中。
産学連携では、現在は早稲田大学、青山学院大学、金沢工業大学などと共同研究を進めている。