2025.04.01 脱炭素とDXを両立 クリーンエネを半導体で支援 ADI

注目を集めるADIのエネルギー関連ソリューション

ADIは、クリーンエネルギー関連の半導体ソリューションの提供に力を入れているADIは、クリーンエネルギー関連の半導体ソリューションの提供に力を入れている

 クリーンエネルギー社会の実現を支える半導体技術に注目が集まっている。電力インフラや工場の消費電力を“見える化”し、温室効果ガス(GHG)の排出削減に貢献するソリューションが、米アナログ・デバイセズ(ADI)から提案されている。

 再生可能エネルギーや水素、蓄電池といった分野の需要拡大を背景に、関連する電力変換や信号処理の最適化技術が急速に進化している。ADIは、高精度なセンシングや信号変換、パワーマネジメントなどのコア技術を駆使し、持続可能な社会づくりを支援。工場でのエネルギー利用の最適化や、サプライチェーン全体でのGHG排出量把握にも寄与している。

 同社が展開する電力モニタリングICは、産業機器への設置が容易で、正確な電力計測とデータの自動処理を実現。AC-DCコンバーターやデジタル・シグナル・プロセッサを組み合わせ、用途に応じた高精度な電力管理も可能だ。

 企業の間では、GHG排出量をスコープ1(自社の直接排出)からスコープ3(サプライチェーン全体)まで把握し、報告する動きが加速。特にサプライヤーに排出量の開示を求める企業も増えており、電力使用量の可視化は喫緊の課題となっている。

 また、エネルギーデータは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の要でもある。従来アナログで管理されていた情報をデジタル化することで、設備稼働率の改善やコスト最適化にもつながる。ADIは、GHG削減とDXの双方に貢献する半導体ソリューションで、脱炭素社会の実現を技術面から後押ししている。

<執筆・構成=半導体ナビ